夏のサイクリングに「専用インナー」が必要な理由
出典:LOVE CYCLIST
夏のサイクリングでは、汗によるベタつきや不快感が大きな悩みとなります。通常の綿製インナーや下着では、汗を吸収しても乾きが遅く、肌にまとわりついて走行中の集中力を削いでしまいます。
サイクル専用インナーは、吸汗速乾性に特化した高機能素材を使用し、汗を素早く吸収して外部に放出します。これにより肌面は常にサラサラとした状態を保ち、汗冷えのリスクも軽減されます。さらに、ストレッチ性と立体縫製により、ペダリング動作を妨げることなく快適な着用感を実現します。
特に真夏の長距離ライドでは、体温調節機能や接触冷感機能を備えた専用インナーの効果は絶大です。汗をかいても快適さを維持し、パフォーマンスの向上と疲労軽減に直結するため、夏場のサイクリストには必須のアイテムと言えるでしょう。
サイクルインナーの選び方|3つのポイント
①吸汗速乾性|汗を素早く吸収・拡散
サイクルインナー選びで最も重要なのが吸汗速乾性能です。ポリエステルやナイロンなどの化学繊維を使用した素材は、綿に比べて吸水性は劣りますが、吸収した汗を素早く繊維表面に移動させて蒸発を促進します。
特に注目したいのが繊維の構造と加工技術です。極細繊維や特殊な編み方により毛細管現象を活用し、汗を広範囲に拡散させる機能が重要となります。また、抗菌防臭加工が施された製品を選ぶことで、長時間のライドでも不快な臭いを抑制できます。
②接触冷感・通気性|ひんやり快適
夏用インナーには接触冷感機能が欠かせません。これは特殊な繊維や加工により、肌に触れた瞬間にひんやりとした感覚を得られる機能です。熱伝導率の高い素材や、表面に凹凸を持たせた繊維により実現されます。
また、通気性とメッシュ構造も重要な要素です。走行中の風を効率的に取り込み、体表の熱を外部に逃がす構造により、体温上昇を抑制できます。メッシュ地の密度や配置により通気性が大きく左右されるため、各メーカーの技術の差が現れる部分でもあります。
③フィット感|ストレッチ性と縫製
サイクリング特有の前傾姿勢やペダリング動作に対応するため、4ウェイストレッチ性を持つ素材が理想的です。縦横だけでなく斜め方向にも伸縮することで、どのような動きにも追従し、動作を妨げることがありません。
縫製技術ではフラットシーマー加工や無縫製技術により、肌との摩擦を最小限に抑えた製品が推奨されます。特に肩周りや脇部分の縫い目は、長時間のライドで擦れやすい箇所のため、縫製の品質が着心地に大きく影響します。適度なコンプレッション効果があるものは筋肉をサポートし、疲労軽減にも寄与します。
【おすすめ①】パールイズミ 111 クールフィットドライ ノースリーブ|サイクル専用の定番
出典:パールイズミ公式サイト
パールイズミ クールフィットドライ ノースリーブ 111の価格を比較する
サイクルウェアメーカーとして40年以上の歴史を持つパールイズミの夏用インナーの定番モデルです。2025年モデルでは素材がアップデートされ、より柔らかく通気性も向上しました。
価格は約4,730円(税込)と、専用品としては手頃な価格設定です。素材はポリエステル88%・ポリウレタン12%の「クールフィットドライ」を採用し、優れた吸汗速乾性とストレッチ性を実現しています。
最大の特徴は肩部分に配置された薄手の日焼け防止素材です。サイクルジャージを通り抜けた紫外線もしっかりとブロックし、日焼け対策も万全です。また、主要部分にフラットシーマー縫製を採用し、肌当たりの良さにもこだわっています。
ユーザーレビューでは「汗をかいてもベタつかない」「一度着用するとその快適性に驚く」といった高評価が目立ちます。サイクル専用設計のため、前傾姿勢での着丈バランスも最適化されており、初心者から上級者まで幅広く支持されている信頼性の高い製品です。
【おすすめ②】モンベル ジオライン クールメッシュ Tシャツ|コスパ最強の軽量メッシュ
出典:モンベル公式サイト
モンベル ジオライン クールメッシュ Tシャツ 1107752の価格を比較する
アウトドアブランドのモンベルが開発した高機能素材「ジオライン®クールメッシュ」を使用したTシャツタイプのインナーです。価格は2,860円(税込)と今回紹介する中では最も安価でありながら、優れた機能性を誇ります。
重量わずか67gという軽さが最大の魅力で、品番は#1107752です。素材はポリエステル100%のメッシュ構造により、肌との接触面積を最小限に抑え、べたつきを感じにくい設計となっています。
ジオライン®クールメッシュの特徴は優れた通気性と速乾性です。メッシュ地の風通しの良さと、汗を素早く放出する機能により、暑い季節でも熱がこもりにくく爽やかな着心地を実現します。さらに制菌効果により臭いの元となるバクテリアを時間とともに減少させ、その効果は洗濯を繰り返しても持続します。
フラットシーマー縫製により肌あたりも良好で、シャツなどのアンダーウェアとしても適用可能です。登山用として開発されたため耐久性も高く、長期間の使用にも耐えるコストパフォーマンスに優れた製品として、多くのサイクリストに愛用されています。
【おすすめ③】アンダーアーマー UAヒートギアアーマー コンプレッション ショートスリーブ|筋肉サポート×速乾
出典:アンダーアーマー公式サイト
アンダーアーマー ヒートギアアーマー コンプレッション ショートスリーブ 1009447の価格を比較する
ベースレイヤー分野のパイオニアであるアンダーアーマーの夏用フラッグシップモデルです。価格は約3,850円で、スポーツ用高機能インナーとしては標準的な価格帯に位置します。
最大の特徴は「モイスチャートランスポートシステム」です。汗を瞬時に吸収し、外部へ発散させることで肌をドライに保ち、60分間のトレーニング後でも通常のコットンTシャツと比べて53%軽量になることが実証されています(同社調べ)。
4ウェイストレッチ素材により縦横無尽に伸縮し、激しいペダリング動作にも追従します。また、適度なコンプレッション効果により筋肉を包み込み、余計な振動を抑制して疲労軽減に寄与します。UPF30+の紫外線カット機能も備えています。
体温コントロール機能も優秀で、水分の発散と同時に熱を放出することで身体の自然なクールダウンを促進します。プロアスリートから一般スポーツ愛好家まで幅広く使用されており、「まるで何も着ていないかのような感覚」を追求した設計が多くのサイクリストから支持を得ています。筋肉サポートと速乾性の両方を重視する方に特におすすめです。
【おすすめ④】おたふく手袋 JW-625 BT冷感・消臭パワーストレッチ 長袖ハイネック|コスパ重視の作業用転用
出典:モノタロウ
おたふく手袋 ボディタフネス 冷感パワーストレッチ 長袖ハイネック JW-625の価格を比較する
作業服メーカーのおたふく手袋が開発したボディタフネスシリーズの冷感インナーです。価格は約1,400円前後と圧倒的な低価格を実現しており、コストパフォーマンスを重視するサイクリストの間で話題となっています。
素材には高い冷感機能を誇る特殊ポリエステル繊維「X-COOL」を採用し、ひんやり涼しい着心地を実現しています。さらに臭いの気になる首周りと脇部分に消臭コアーミシン糸を使用し、消臭機能も備えています。
コンプレッション機能により激しい動きにもジャストフィットし、ストレッチ素材とボディラインに沿ったフィット感で機動性を高めます。長袖ハイネックタイプのため、UVカット効果も期待でき、日焼け対策としても優秀です。
作業着用として開発されているため、耐久性と実用性を重視した設計となっています。サイクル専用品と比較すると縫製の細かさでは劣る部分もありますが、優れた吸汗速乾機能でサラッとした快適な着用感をキープします。予算を抑えて機能性の高いインナーを求める方や、複数枚購入したい方に特におすすめの隠れた名品です。
【おすすめ⑤】ファイントラック ドライレイヤーベーシック ノースリーブ|汗冷え完全対策
出典:ヨドバシ
ファイントラック ドライレイヤーベーシック ノースリーブ FUM0423の価格を比較する
登山・トレッキング用品メーカーのファイントラックが開発した独自のドライレイヤー技術を採用したインナーです。価格は4,620円(税込)で、特殊な機能を持つ製品としては適正な価格設定です。
最大の特徴は撥水性を備えたメッシュ生地です。肌に直接着用し、その上に吸汗性ウェアを重ねることで、汗を肌から引き離して外側のウェアに移動させる革新的な仕組みを実現しています。これにより汗冷えのリスクを大幅に軽減できます。
素材はポリエステル100%で、2020年春に旧スキンメッシュからリニューアルされました。耐久撥水性が150洗80点に進化し、ドライ性能が約1.5倍長持ちするようになっています。
登山用として開発されているため、体温調節が生死に関わる極限環境での使用を想定した高い信頼性を持ちます。サイクリングにおいても、長時間のライドや雨天時の体温管理に威力を発揮し、「汗をかいても肌がドライ」という独特の着用感が多くのユーザーを魅了しています。汗冷えが気になる方や、より高度な体温管理を求める方におすすめです。
【比較表】5製品のスペック・価格一覧
| 製品名 | 価格 | 重量 | 素材 | 主な特徴 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|---|---|
| パールイズミ 111 クールフィットドライ |
4,730円 | 約80g | ポリエステル88% ポリウレタン12% |
吸汗速乾・UV対策 フラットシーマー縫製 |
★★★★★ |
| モンベル ジオライン クールメッシュ |
2,860円 | 67g | ポリエステル100% | 軽量・制菌効果 優れた通気性 |
★★★★★ |
| アンダーアーマー ヒートギアアーマー |
3,850円 | 約90g | ポリエステル84% エラスタン16% |
コンプレッション 4ウェイストレッチ |
★★★★☆ |
| おたふく手袋 JW-625 |
1,400円 | 約100g | X-COOL ポリエステル系 |
接触冷感・消臭 圧倒的低価格 |
★★★☆☆ |
| ファイントラック ドライレイヤーベーシック |
4,620円 | 約39g | ポリエステル100% 撥水メッシュ |
汗冷え対策 独自ドライレイヤー |
★★★★☆ |
まとめ|自分に合った「最初の1枚」を選ぼう
夏のサイクリングを快適にする高機能インナー5製品をご紹介しました。初心者の方には、サイクル専用設計のパールイズミ 111がおすすめです。実績と信頼性があり、専用品としての機能が全て詰まっています。
コストパフォーマンスを重視する方にはモンベル ジオライン クールメッシュが最適です。3,000円以下で本格的な機能を体験できます。筋肉サポートを求める方はアンダーアーマーのヒートギアアーマー、予算を抑えたい方はおたふく手袋のJW-625、汗冷えが特に気になる方にはファイントラックのドライレイヤーがそれぞれ適しています。
購入前のチェックポイントとして、①サイズは普段より1サイズ小さめ、②素材の肌触りの確認、③洗濯表示の確認を行いましょう。まずは1枚試して効果を実感してから、複数枚そろえることをおすすめします。
※掲載情報は2025年10月時点のものです。価格や仕様は変更される場合があります。
よくある質問(FAQ)
サイクルジャージの下にインナーは必要ですか?
はい、特に夏場は着用をおすすめします。サイクルジャージだけでは汗が肌に残り、汗冷えや不快感の原因となります。専用インナーを着用することで汗を効率的に処理し、快適性が大幅に向上します。
夏用と冬用のインナーの違いは何ですか?
夏用は吸汗速乾・接触冷感・通気性を重視し、薄手のメッシュ素材が主流です。冬用は保温性・発熱機能・防風性を重視し、厚手の起毛素材を使用します。季節に応じた使い分けが重要です。
洗濯頻度と手入れ方法を教えてください
使用後は毎回洗濯することをおすすめします。中性洗剤を使用し、柔軟剤は機能を損なう可能性があるため避けてください。40℃程度のぬるま湯で洗い、陰干しで乾燥させると長持ちします。
サイズ選びのコツはありますか?
インナーは密着性が重要なため、普段のサイズより1サイズ小さめを選ぶのが基本です。ただし、きつすぎると血行を妨げるため、試着できる場合は実際に確認することをおすすめします。
コンプレッションとノンコンプレッションはどちらがよいですか?
コンプレッション(着圧)タイプは筋肉サポート効果がありますが、慣れない方には窮屈に感じる場合があります。初心者の方はまずノンコンプレッションタイプから始めて、慣れてきたらコンプレッションタイプを試すことをおすすめします。