はじめに|朝の静けさと光に包まれる、特別な体験
ご来光トレッキングは元旦だけじゃない
「ご来光」といえば初日の出を連想する人も多いですが、実は1年を通して楽しめる自然体験です。
夏は高山での涼しい朝、秋は紅葉と朝霧、冬は澄んだ空とくっきりとした太陽が、それぞれ異なる感動を与えてくれます。
季節ごとに魅力が異なるので、何度登っても新しい発見があるのがご来光登山の醍醐味です。
早朝登山に必要な準備
ご来光を見るには、登頂時間を夜明け前に設定する必要があります。
ケーブルカーやロープウェーは多くの場合、運行開始が8時以降なので使えないと考えてください。
そのため、以下の装備は必須です:
ヘッドライト(登山道を安全に歩くため)
防寒着(特に標高が高いエリアでは夏でも冷え込みます)
軽食・水分補給(山頂での朝食は格別)
登山届(YAMAPやコンパスでオンライン提出可)
ヘッドライトを持っていない人は準備必須ですよ!
初日の出のときとかに極たまにスマホのライトとか使っている人いますが、危ないですからね。
- スポット400
関東ご来光トレッキングスポット比較表(徒歩登山前提)
スポット名 | 所在地 | 標高 | 難易度 | 所要時間(片道) | 駐車場利用 | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|---|
高尾山 | 東京都 | 599m | ★★☆☆☆ | 約90分 | 24時間Pあり | 都心から好アクセス。整備道で初心者にも安心 |
筑波山 | 茨城県 | 877m | ★★☆☆☆ | 約120分 | 一部24時間 | 双峰の稜線が魅力。東峰で朝日が美しく昇る |
宝篋山 | 茨城県 | 461m | ★★☆☆☆ | 約60分 | 24時間Pあり | 平地からの登山で気軽。展望良好で朝活向き |
大山 | 神奈川県 | 1,252m | ★★★☆☆ | 約150分 | 24時間Pあり | 阿夫利神社下社からのご来光が神秘的 |
三ツ峠山 | 山梨県 | 1,785m | ★★★★☆ | 約180分 | 24時間Pあり | 富士山と朝日を同時に望める絶景スポット |
雲取山 | 東京都 | 2,017m | ★★★★★ | 約5時間(泊) | 24時間Pあり | テント泊で迎えるご来光が特別。上級者向け |
鋸山 | 千葉県 | 329m | ★☆☆☆☆ | 約45分 | 24時間Pあり | 海と朝日が広がる低山。アクセスも良好 |
補足:
ロープウェー併設の駐車場(鋸山・筑波山など)は早朝未開門が多く、ご来光登山には不向きです。
多くの一般登山口側の駐車場(登山者用)は24時間開放されている傾向があります。
無人駐車場のため、小銭やIC決済・現金などの支払い方法に注意。
ハイシーズン(正月や連休)を除けば、未明到着で満車になるケースは稀ですが、雲取山のように泊まり前提の山は例外です。
高尾山(東京都)|都心からの朝活に最適なご来光ハイク
東京都心からのアクセスが良く、初心者にも人気の高尾山は、ご来光トレッキングの入門コースとしても最適です。標高599mと手頃ながら、山頂からは相模湾や丹沢方面を望む展望が広がり、晴れた日のご来光はまさに格別。整備された登山道と落ち着いた山頂の雰囲気が、朝の静けさと相まって心を整えてくれます。
― アクセス
・京王線 高尾山口駅より徒歩すぐで登山口へ
・公共交通機関でも深夜〜早朝のアクセスが比較的容易
― トレッキング難易度(★5段階評価)
★★☆☆☆(初心者OK、整備された道が中心)
― おすすめポイント:
・都市近郊で気軽に行けるご来光スポット
・整備道+案内標識が豊富で夜間でも安心
・稲荷山コースや1号路はヘッドライト利用で問題なし
ご来光ベストスポットとルート選び

高尾山山頂の展望台からは、南東方向にひらけた眺望があり、初日の出だけでなく通年で朝日を拝むことができます。
ご来光目的の登山では、稲荷山コース(中級向け)または1号路(表参道コース)が推奨されます。稲荷山コースは早朝でも通行可能で、比較的空いていて静かな時間を楽しめます。
どちらのルートも道幅が広く、迷う心配は少ないですが、足元はヘッドライトでしっかり照らすことが必須です。
駐車場と夜間利用のポイント
高尾山口駅周辺には24時間営業のコインパーキングが複数あります。
ただし週末や連休の朝はすでに埋まっていることもあるため、深夜0時〜3時台に到着しておくのが理想です。
高尾山薬王院の参道側(表参道〜ケーブルカー方面)にも駐車場はありますが、こちらは開門時間に制限がある場合があり、ご来光目的では避けた方が無難です。
筑波山(茨城県)|双峰の稜線から昇るドラマチックな朝日
「西の富士、東の筑波」と称される名峰・筑波山。双峰(男体山・女体山)を持ち、特に女体山からのご来光は茨城を代表する絶景のひとつです。関東平野を一望できる山頂から、地平線の彼方に昇る朝日は、季節や気象条件によってさまざまな表情を見せてくれます。
― アクセス
・つくばエクスプレス「つくば駅」から直通バス(筑波山神社入口)
・深夜早朝は車利用が現実的、登山者向け市営Pあり
― トレッキング難易度(★5段階評価)
★★☆☆☆(標高差ありだが登山道は明瞭)
― おすすめポイント:
・標高の割に眺望が素晴らしく、ご来光との相性が良い
・女体山からの朝日は空気が澄む冬〜春に特におすすめ
・双峰縦走で達成感も得られるコース設計
ご来光に最適なルートと注意点

ご来光目的なら、女体山直登ルート(御幸ヶ原コース〜女体山頂)が定番です。夜明け前の登山になるため、事前にコース情報を確認し、ヘッドライト+防寒具は必携です。
また、女体山山頂の展望は岩場になっており、夜間・強風時は特に慎重な行動が必要です。安全第一で無理のない範囲で撮影・滞在を行いましょう。
男体山との縦走は体力に余裕があればおすすめですが、ご来光目的ならまずは女体山のみの往復が無難です。
駐車場と深夜利用の実情
登山口近くにはつくば市営第1・第2駐車場などがあり、一部が24時間利用可能(料金制)です。
夜間でも自由に出入りでき、精算機対応のため、ご来光登山者にも利用実績が高いスポットとなっています。
一方、ロープウェー側(つつじヶ丘)の駐車場は未開門の時間帯があり注意が必要。山麓駅からのアクセスも不可となるため、必ず神社側からの徒歩登山ルートを選びましょう。
宝篋山(茨城県)|早朝でも登れる静かなご来光スポット
茨城県つくば市にある標高461mの宝篋山(ほうきょうさん)は、朝活にぴったりな低山ご来光スポット。1時間程度で登れる手軽さながら、山頂からは関東平野を一望でき、運が良ければ筑波山の稜線越しに朝日が昇る姿を楽しめます。地元の人々にも愛されており、初心者にも優しい山です。
― アクセス
・圏央道「常総IC」または「つくば中央IC」から車で約30分
・登山口は「小田休憩所」または「極楽寺コース登山口」からアクセス
― トレッキング難易度(★5段階評価)
★★☆☆☆(比較的なだらかで整備されている)
― おすすめポイント:
・都内からの朝活圏内。低山でも展望良好
・複数の登山コースがあり周回も可能
・山頂から筑波山越しに見る朝焼けが印象的
ルートと登山時間の目安

ご来光を狙う場合は、「小田休憩所コース」または「極楽寺コース」がおすすめです。どちらも山頂まで約60分。明瞭な登山道で、ヘッドライトがあればナイトハイクも安心です。
特に秋〜冬の空気が澄んだ日には、筑波山と朝焼けのコントラストが美しく、写真愛好家にも人気があります。
駐車場の利用について
小田休憩所にある登山者用駐車場は24時間開放されており、無料・トイレも完備。
夜明け前でも自由に駐車・登山が可能なため、日中よりも静かな登山を楽しみたい方にも最適です。
大山(神奈川県)|神域に差し込む朝日が心を洗う
霊峰・大山は、古くから信仰の対象とされてきた神奈川県の名山です。中腹にある阿夫利神社下社は、江戸時代から多くの人がご来光を拝みに訪れた歴史ある地。標高1,252mの山頂から見る朝日も素晴らしいですが、神社の石段越しに朝日が差し込む光景は、神秘的で格別の美しさを誇ります。
― アクセス
・小田急線 伊勢原駅からバスで「大山ケーブル駅」下車後、登山道へ
・公共交通機関は早朝に動いていないため、車でのアクセスが前提
― トレッキング難易度(★5段階評価)
★★★☆☆(登りごたえあり、滑りやすい石段も)
― おすすめポイント:
・阿夫利神社下社からの朝日は“神域”の空気
・登山道に古道の風情あり、雰囲気抜群
・山頂からの360度展望とセットで満足度高い
ご来光のおすすめルートと撮影ポイント

ご来光目的の場合、目的地は以下の2択となります:
下社までの早朝登山で日の出を迎える(静かで荘厳な雰囲気)
山頂で朝日を見るために未明から登る(健脚向け)
下社から山頂まではさらに90分〜120分の登りとなるため、山頂ご来光を狙うなら深夜2時台に登山開始が理想です。
なお、登山道は石段が多く、雨上がりや霜の時期は滑りやすいので要注意。トレッキングシューズ推奨です。
駐車場とケーブルカーの注意点
大山観光案内所前の市営第1・第2駐車場は24時間利用可能で、ご来光登山者にも人気です。
台数は多くありませんが、深夜到着で確保しやすく、徒歩でそのまま登山道へ入ることができます。
一方、大山ケーブルカーは始発が8:30頃のため、当然ながらご来光には使用不可。
登山開始から終始徒歩を前提としたプランを立てましょう。
三ツ峠山(山梨県)|富士山と朝日の競演が楽しめる
山梨県の名峰・三ツ峠山は、富士山ビュースポットとしても知られる標高1,785mの名山。山頂からは、富士山のシルエットの向こうに昇る朝日という、息を呑むような絶景が広がります。夜間に登り、静かな山頂で夜明けを迎えるスタイルは、登山上級者だけでなく、写真愛好家やソロ登山者にも支持されています。
― アクセス
・富士急行 三つ峠駅からタクシーまたは車で登山口(達磨石登山口)へ
・公共交通機関のみでの早朝アクセスは困難なため、車推奨
― トレッキング難易度(★5段階評価)
★★★★☆(登りごたえあり、暗所+岩場あり)
― おすすめポイント:
・富士山越しに昇るご来光の“圧倒的な画力”
・山小屋泊も可能で、夜間行動が不安な人にも安心
・夜明けから朝焼けへの移り変わりをたっぷり堪能できる
ご来光におすすめのルートと注意点
達磨石登山口からのルートは、所要約2.5〜3時間。途中、樹林帯〜岩場が続くため夜間登山には慎重さが求められます。ヘッドライトは必須で、滑りやすいポイントではストックやグローブもあると安心です。
ご来光ポイントは開運山の山頂。広めのスペースがあるため、撮影や朝食休憩にも最適。
ただし、風が強いエリアでもあるので、防寒装備は必須です。夏場でも冷え込みます。
駐車場とナイトハイクの実情
登山口にある達磨石駐車場は24時間利用可能で、無料・トイレ付き。ご来光登山や夜間行動を前提とした登山者によく利用されています。
週末やハイシーズンは前夜から満車になることもあるため、夜21〜24時頃の到着が理想的です。
なお、車を使えない場合は三つ峠駅からタクシーで登山口へ向かうことになりますが、深夜・早朝のタクシーは配車困難なため事前に手配が必要です。
雲取山(東京都)|テント泊で迎える天空のご来光
東京都最高峰・雲取山(2,017m)は、東京都心からアクセスできる数少ない2,000m超の山。日帰りでは難しいため、避難小屋またはテント泊で前泊し、山頂で夜明けを迎えるのがスタンダードです。関東一円を見渡す大パノラマと、空を焼くようなご来光のコントラストは格別な体験です。
― アクセス
・中央道「大月IC」または「青梅IC」経由で奥多摩方面へ
・登山口は鴨沢(丹波山村)または三峰口からアクセス
― トレッキング難易度(★5段階評価)
★★★★★(長距離・高低差あり・テント泊前提)
― おすすめポイント:
・東京都で最も標高の高い場所からのご来光
・テント泊や避難小屋泊で本格的な山行を体験
・天候が良ければ富士山や南アルプスも遠望可能
登山ルートと装備の注意点

ご来光目的なら、鴨沢ルートで1日目に七ツ石小屋付近まで登り、翌朝早朝アタックが王道です。
行動時間が長いため、十分な体力と計画性、そして防寒・雨天対策装備が必要となります。
冬季や悪天候時は特にリスクが高まるため、無理はせず経験者と行く、または他の山に変更する判断も重要です。
駐車場と登山口情報
鴨沢登山口付近にある駐車スペース(丹波山村営駐車場)は24時間利用可能で、登山者に開放されています。
ただし、週末や紅葉シーズンは前日夜から満車になることもあるため、早めの到着が安心です。
鋸山(千葉県)|海と空の狭間に昇るご来光
千葉県房総半島にある鋸山(329m)は、海沿いの低山としては珍しいご来光スポット。南東方向に海が広がり、東京湾越しに昇る朝日を静かな山頂から楽しむことができます。短時間で登れる手軽さと、低山ながらの絶景が魅力です。
― アクセス
・館山自動車道「富津金谷IC」から約10分
・「関東ふれあいの道」入口が主な登山口
― トレッキング難易度(★5段階評価)
★☆☆☆☆(標高差少なく、初心者向け)
― おすすめポイント:
・海と朝日の“水平線ショット”が魅力
・東京湾フェリー利用で横須賀方面からも日帰り可能
・標高300m台とは思えないほどの絶景が広がる
ご来光ルートと注意点

最短ルートは、「関東ふれあいの道コース」から山頂を目指すルート。約45分程度の登りで到達できるため、深夜2〜3時台に現地入り→仮眠→登山開始が理想的です。
ロープウェー山頂駅周辺は閉鎖されており、夜間は立ち入り不可のため、必ず徒歩での登山を前提に計画してください。
駐車場とアクセス情報
「関東ふれあいの道登山口」付近にある県営駐車場(無料・24時間開放)が利用可能。
ただし夜間は照明がなく周囲も静かなため、複数人または安全対策を整えての登山が推奨されます。
FAQ|ご来光ハイクの前に知っておきたい疑問5選
Q. ご来光はいつの季節でも見られるの?
はい。ご来光は元旦だけでなく通年で楽しめる自然現象です。
春や秋は登山しやすく、夏は高山で涼しく、冬は空気が澄んで朝日がくっきりと見えます。季節によって違った感動があるのが魅力です。
Q. ロープウェーやケーブルカーは使えますか?
ご来光の時間帯(午前4時〜5時頃)には、ロープウェーやケーブルカーは運行していないのが一般的です。
そのため、ご来光登山は徒歩での登頂が前提になります。
Q. 夜間登山は危険じゃないですか?
夜間は視界が悪く、転倒や迷い込みのリスクがあるため、ヘッドライト・防寒着・事前のルート確認が必須です。
複数人での登山や、事前の下見をしておくことで、より安全に行動できます。
Q. 駐車場は何時から使えますか?
多くの登山者用駐車場は24時間開放されています。
ただし、観光施設併設の駐車場(ロープウェーなど)は朝の開門まで使えない場合があるため、スポットごとの事前確認が大切です。
Q. ご来光に間に合わせるには何時に出発すればいい?
標高やルートによりますが、山頂に4:30〜5:00までに到着するのが一般的な目安です。
そこから逆算して、登山開始時刻を設定しましょう。標高が高い山ほど夜明けが早く感じられる点にも注意が必要です。
まとめ|ご来光を見に行く、それだけで特別な一日になる
関東には、思い立ったその日に行けるご来光トレッキングスポットが数多く存在します。
標高が高くなくても、海や街を見下ろす絶景とともに、朝の静けさと光に包まれる体験は、心に残るものになるはずです。
今回紹介した7つのスポットは、すべて徒歩登山でご来光が見られる場所を厳選しました。
また、早朝でも利用できる駐車場や、ロープウェーを使わずにアクセスできるルートも紹介していますので、自分の体力やスケジュールに合わせて、無理のないプランで計画を立ててみてください。
朝日を見るだけで、普段とはまったく違う一日が始まる。
そんな特別な時間を、ぜひ体感してみませんか?