ソロキャンプ用ランタンの選び方|オイルとLEDどちらを選ぶ?
ソロキャンプ用のランタンを選ぶ際、最初に直面するのが「オイルランタンとLEDランタン、どちらを選ぶべきか?」という悩みです。それぞれに明確な特徴とメリット・デメリットがあります。
オイルランタンの特徴:
揺らめく炎が生み出す温かみのある光が最大の魅力です。キャンプサイトに独特の雰囲気をもたらし、焚き火と並んでキャンプの「癒し」を演出してくれます。灯油やパラフィンオイルを燃料とし、燃焼時間は約20時間と長時間使用できます。ただし、明るさは控えめ(約5〜10ルーメン相当)で、テント内での使用は一酸化炭素中毒の危険があるため不可です。
LEDランタンの特徴:
火を使わないため安全性が高く、テント内でも使用可能です。明るさは50〜370ルーメンと幅広く、調光機能付きモデルなら用途に応じた明るさ調整ができます。充電式や電池式があり、重量も70〜200g程度と軽量コンパクト。機能性と実用性を重視するならLEDランタンがおすすめです。
ソロキャンプでの使い分けのコツ:
多くのソロキャンパーは「メインランタンにLED、雰囲気づくりにオイル」という2灯体制を採用しています。LEDで十分な明るさを確保しつつ、テーブルにオイルランタンを置いて炎の揺らぎを楽しむスタイルです。初めての方は、まずLEDランタン1つから始めて、キャンプに慣れてきたらオイルランタンを追加するのが失敗しない選び方です。
【オイルランタン編】雰囲気重視の3選
フュアーハンド ベイビースペシャル276|定番の名品
出典:BE-PAL
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1902年創業のドイツ・フュアーハンド社が手がける「ベイビースペシャル276」は、オイルランタンの代名詞とも言える定番モデルです。110年以上の歴史を持つ伝統的な設計ながら、現代のキャンパーにも愛され続けています。
製品スペック:
- サイズ:高さ約26cm×幅15cm
- 重量:約480g
- タンク容量:約340ml
- 燃焼時間:約20時間以上
- 明るさ:約5CP(キャンドルパワー)
- 使用燃料:灯油、パラフィンオイル
- 参考価格:約4,000〜5,000円(税込)※2025年10月時点
特徴とメリット:
「ハリケーンランタン」と呼ばれる防風構造が最大の特徴で、強風下でも炎が消えにくい設計になっています。シンプルな構造のため故障が少なく、芯の交換も簡単。カラーバリエーションも豊富で、ジンク(亜鉛メッキ)、ブロンズ、ルビーレッドなど好みに合わせて選べます。ソロキャンプの雰囲気づくりには最適な一品です。
デメリット:
明るさは控えめなので、これだけでキャンプサイト全体を照らすのは困難です。また、灯油を使用すると多少の煤(すす)が発生するため、定期的な清掃が必要になります。パラフィンオイルを使用すれば煤は軽減されますが、燃料コストは上がります。
デイツ(DIETZ)ハリケーンランタン #78|クラシカルな美しさ
出典:Amazon.co.jp
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アメリカ・デイツ社のハリケーンランタン「#78」は、フュアーハンドと並ぶ人気のオイルランタンです。1840年創業の老舗メーカーが手がける、クラシカルなデザインが魅力の製品です。
製品スペック:
- サイズ:高さ約26.5cm×最大幅15cm
- 重量:約470g
- タンク容量:約340ml
- 燃焼時間:約20時間
- 明るさ:約7CP
- 芯:12mm(4分芯)
- 参考価格:約5,000〜8,000円(税込、カラーにより変動)※2025年10月時点
特徴とメリット:
デイツ78の最大の魅力は、豊富なカラーバリエーションです。定番の黒金、ブロンズをはじめ、真鍮(ブラス)、ゴールドなど多彩なラインナップから選べます。特に真鍮モデルは使い込むほどに経年変化(エイジング)を楽しめ、自分だけの一品に育てられます。フュアーハンドと比較してやや明るく、存在感のあるデザインが好評です。
デメリット:
人気モデルのため偽物が出回っているとの情報もあります。購入時は正規取扱店を利用し、「DIETZ」のロゴがはっきり刻印されているか確認しましょう。また、フュアーハンドと同様、メインランタンとしての明るさは不足するため、サブ用または雰囲気重視の用途に適しています。
キャプテンスタッグ CSオイルランタン<小>|コスパ最強
出典:キャプテンスタッグ公式サイト
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日本のアウトドアブランド「キャプテンスタッグ」が手がける、コストパフォーマンスに優れたオイルランタンです。「オイルランタンを試してみたいけど、いきなり高価なものは…」という初心者に最適な入門モデルです。
製品スペック:
- サイズ:幅120×奥行100×高さ190mm(ハンドル含まず)
- 重量:約250g
- タンク容量:約120ml
- 燃焼時間:約14時間
- 本体材質:鉄(銅めっき)、ホヤ:ガラス
- 使用燃料:白灯油、パラフィンオイル
- 参考価格:約2,500〜3,500円(税込)※2025年10月時点
特徴とメリット:
何と言っても約3,000円という価格が魅力です。海外製の半額程度で購入でき、オイルランタン入門には最適。小型(高さ19cm)でソロキャンプの荷物にも収まりやすく、テーブルに置いても邪魔になりません。明るさも非加圧式オイルランタンの中ではトップクラスで、実用的な明るさを確保できます。
デメリット:
タンク容量が120mlと小さめなため、燃焼時間は約14時間とやや短めです。一泊のキャンプなら問題ありませんが、連泊の場合は燃料の補充が必要になります。また、作りはやや簡素で、フュアーハンドやデイツと比較すると高級感は劣ります。ただし、価格を考えれば十分な品質と言えます。
【LEDランタン編】実用性重視の4選
GOAL ZERO Lighthouse Micro Flash|超軽量150ルーメン
出典:株式会社アスク(日本正規代理店)
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アメリカ・GOAL ZERO社の「Lighthouse Micro Flash」は、ソロキャンパーから絶大な支持を得ている超小型LEDランタンです。わずか68gという軽量性と多機能性を兼ね備えた人気モデルです。
製品スペック:
- サイズ:高さ約9.3cm×直径3.7cm
- 重量:約68g
- 明るさ:最大150ルーメン
- 点灯モード:ハイ/ロー/フラッシュライト(3モード)
- 連続点灯時間:約7〜170時間(モードにより変動)
- 充電方式:USB充電式(マイクロUSB)
- 防水性能:IPX6相当
- 参考価格:約4,500〜5,500円(税込)※2025年10月時点
特徴とメリット:
最大の魅力は68gという超軽量性です。バックパックやポケットにも収まるコンパクトサイズながら、150ルーメンの明るさを実現。しっぽりとしたソロキャンプならメインランタンとしても使えます。本体上部のフラッシュライト機能は懐中電灯として使用でき、夜間のトイレや移動時に便利です。USB充電式のため電池交換不要で、モバイルバッテリーからも充電できます。
デメリット:
人気モデルゆえに価格がやや高めで、入手困難な時期もあります。また、小型ゆえにバッテリー容量が限られ、最大輝度では約7時間しか持ちません。ただし、ローモードなら約170時間使用できるため、使い方次第で弱点はカバーできます。
スノーピーク たねほおずき|和のデザインが魅力
出典:スノーピーク公式サイト
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日本を代表するアウトドアブランド「スノーピーク」の「たねほおずき」は、日本の提灯をモチーフにした独特のデザインが人気のLEDランタンです。2024年3月には待望の充電式モデルも登場しました。
製品スペック:
- サイズ:直径62mm×高さ75mm
- 重量:約57g(充電式モデル)、約60g(電池式モデル)
- 明るさ:最大60ルーメン
- 点灯モード:通常/ゆらぎ(キャンドルモード)
- 連続点灯時間:約40〜70時間(Hiモード約40時間、Lowモード約70時間)
- 充電方式:USB-C充電式(充電式モデル)、単4電池×3本(電池式モデル)
- 参考価格:約4,500〜5,500円(税込、モデルにより変動)※2025年10月時点
特徴とメリット:
シリコン製のシェードによる柔らかな光と、提灯を思わせる和のデザインが最大の魅力です。「ゆらぎモード」はロウソクの炎のように光が揺らぎ、雰囲気づくりに最適。重量わずか57gと超軽量で、付属のマグネットループで金属部分に取り付けられます。カラーバリエーションも豊富で、「ゆき」「もり」などの和名が付けられています。
デメリット:
最大60ルーメンと明るさは控えめなため、メインランタンとしては不十分です。サブランタンやテント内照明として使用するのが適しています。また、人気モデルゆえに価格はやや高めです。充電式モデルと電池式モデルがあるため、購入時に間違えないよう注意が必要です。
レッドレンザー ML4 Warm Light|調光機能が秀逸
出典:Plywood
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ドイツの照明メーカー「レッドレンザー」のML4シリーズは、洗練されたデザインと優れた調光機能が特徴のLEDランタンです。ソロキャンプからUL(ウルトラライト)登山まで幅広く活躍します。
製品スペック:
- サイズ:直径29mm×高さ97mm
- 重量:約71g(電池込み)
- 明るさ:5〜300ルーメン(無段階調光)
- 点灯モード:ブーストモード/パワーモード/ミドルモード/ローモード
- 連続点灯時間:約2〜45時間(モードにより変動)
- 電源:単3形アルカリ電池×1本またはUSB充電式バッテリー
- 防水性能:IP66
- 参考価格:約5,500〜6,500円(税込)※2025年10月時点
特徴とメリット:
最大の特徴は、5〜300ルーメンまでの無段階調光機能です。ボタン長押しで好みの明るさに細かく調整でき、シーンに応じた最適な明るさを実現できます。マイクロプリズムレンズにより眩しさを抑えた柔らかな配光で、目に優しい光を提供。カラビナ付きでテントやタープに吊り下げやすく、IP66の高い防水性能も備えています。
デメリット:
単3電池1本で駆動するため、最大輝度では約2時間しか持ちません。長時間使用する場合は予備電池や充電式バッテリーの用意が必要です。また、価格は6,000円前後とやや高めです。ただし、ドイツ製の高品質と多機能性を考えれば納得の価格と言えます。
ジェントス エクスプローラー EX-136S|明るさNo.1
出典:ジェントス公式サイト
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日本の懐中電灯メーカー「ジェントス」のエクスプローラーシリーズ「EX-136S」は、暖色系LEDで370ルーメンという明るさを誇る実力派LEDランタンです。ソロキャンプのメインランタンとして十分な性能を持っています。
製品スペック:
- サイズ:直径78mm×高さ140mm
- 重量:約355g(電池含む)
- 明るさ:最大370ルーメン(暖色LED)
- 点灯モード:High/Middle/Eco/キャンドルモード(4段階)
- 連続点灯時間:約9〜142時間(モードにより変動)
- 電源:単3形アルカリ電池×6本
- 防水性能:IP64
- 参考価格:約3,500〜4,500円(税込)※2025年10月時点
特徴とメリット:
今回紹介するLEDランタンの中で最も明るい370ルーメンを実現。これ一つでソロキャンプサイト全体を十分に照らせます。暖色系LEDのため、ガソリンランタンのような温かみのある光を提供。4段階の明るさ調整とキャンドルモード(ゆらぎモード)を搭載し、雰囲気づくりにも対応します。国産メーカーの安心感と、約4,000円というコストパフォーマンスも魅力です。
デメリット:
重量約355g、サイズも高さ14cmと、他の小型LEDランタンと比べるとやや大きく重めです。バックパックでの移動がメインのソロキャンプには少々かさばります。また、単3電池6本が必要なため、電池のランニングコストがかかります。ただし、明るさと価格を考えれば、許容範囲内と言えるでしょう。
※製品仕様は予告なく変更される場合があります。
※価格は変動する可能性があります。購入前に公式サイトでご確認ください。
※掲載情報は2025年10月時点のものです。
ソロキャンプでランタンを使う際の注意点
ランタンを安全に、そして快適に使用するための重要なポイントを押さえておきましょう。
オイルランタンの注意点
- テント内での使用は絶対に避ける:一酸化炭素中毒の危険があります。オイルランタンは必ず屋外で使用してください。
- 燃料の取り扱いに注意:燃料補給は必ず火を消してから行い、こぼれた燃料はすぐに拭き取りましょう。
- 熱くなる部分に注意:ホヤ(ガラス部分)や金属部分は高温になります。消灯直後は触れないよう注意が必要です。
- 定期的なメンテナンス:芯の交換、ホヤの清掃は定期的に行いましょう。特に灯油使用時は煤が溜まりやすいです。
LEDランタンの注意点
- バッテリー・電池の管理:充電式は事前にフル充電、電池式は予備電池を必ず持参しましょう。
- 防水性能の確認:IP規格を確認し、雨天時の使用可否を把握しておきましょう。IP64以上なら雨でも使用可能です。
- 落下に注意:軽量で小型なため、風で飛ばされたり、うっかり落としたりしやすいです。カラビナやループで固定を。
ランタンの適切な配置
ソロキャンプでは、メインランタン1つとサブランタン1つの計2灯が基本です。メインランタンはテーブル横の地面や、タープのポールに吊り下げて全体を照らし、サブランタンはテーブル上やテント内に配置します。オイルランタンを使用する場合は、必ず屋外のテーブル上に置きましょう。
よくある質問(FAQ)
ソロキャンプ初心者はオイルとLED、どちらを選ぶべきですか?
初心者にはLEDランタンをおすすめします。火を使わないため安全性が高く、テント内でも使用でき、明るさ調整も簡単です。まずはLEDランタンでキャンプに慣れてから、雰囲気づくり用にオイルランタンを追加するのが失敗しない順序です。
ソロキャンプでランタンは何個必要ですか?
基本的には2個あれば十分です。メインランタン(明るいLED)1つでサイト全体を照らし、サブランタン(小型LEDまたはオイル)1つをテーブルやテント内に配置します。荷物を減らしたいミニマリストなら、明るいLEDランタン1つだけでも対応可能です。
オイルランタンの燃料は灯油とパラフィンオイル、どちらがいいですか?
灯油は安価で入手しやすいメリットがありますが、独特の臭いと煤が発生しやすいデメリットがあります。パラフィンオイルは煤が少なく臭いも控えめですが、価格は灯油の約2〜3倍です。初心者や雰囲気を重視する方はパラフィンオイル、コストを抑えたい方は灯油がおすすめです。
充電式LEDランタンと電池式、どちらが便利ですか?
それぞれにメリットがあります。充電式はモバイルバッテリーから充電でき、電池交換不要でランニングコストが低いのが利点です。電池式は電池があればすぐに使え、予備電池を持てば長時間使用できます。頻繁にキャンプする方は充電式、たまに行く方や災害用も兼ねたい方は電池式がおすすめです。
LEDランタンの明るさは何ルーメン必要ですか?
ソロキャンプのメインランタンなら150〜300ルーメンあれば十分です。サブランタンやテント内照明なら50〜100ルーメンで問題ありません。調光機能付きのモデルなら、状況に応じて明るさを調整できるため、幅広い用途に対応できます。
オイルランタンはどれくらいの頻度でメンテナンスが必要ですか?
使用後は毎回ホヤ(ガラス部分)を軽く拭いて煤を落としましょう。芯の交換は使用頻度にもよりますが、年に1〜2回程度が目安です。芯が短くなって火がつきにくくなったら交換のサインです。また、長期間使用しない場合は、タンク内の燃料を抜いておくと劣化を防げます。
ソロキャンプ用のランタン選びは、自分のキャンプスタイルに合ったものを選ぶことが重要です。実用性重視ならLED、雰囲気重視ならオイル、そして両方を組み合わせることで、機能性と癒しの両立が可能になります。
今回ご紹介した7つのランタンは、どれもソロキャンパーから高い評価を得ている実績ある製品です。まずは気になった1つから試してみて、自分だけのランタンスタイルを見つけてください。揺らめく炎や温かな光に包まれた、特別なソロキャンプの夜が待っています。