ワークマンで登山の服を揃えたい。そう考えて調べ始めると、「全部いける」と「やめておけ」の両方が出てきて困りますよね。
で、結論から言うと上半身と下半身はほぼ揃います。ただし靴とザックは揃いません。
この線引きをはっきりさせるのが、この記事の目的です。「全部ワークマンで行ける」でも「ワークマンじゃ無理」でもなく、どこまでが範囲内かを書きます。
価格は2026年9月にワークマン公式で確認したものです。去年から世代が変わっているものがあるので、そこも合わせて。

ワークマンで揃う4点|合計1万2千円台
低山の日帰りに必要な服は、だいたいこの4点です。全部ワークマンで揃います。
| 役割 | 商品 | 価格 |
|---|---|---|
| 肌に着るもの | メリノウール100 長袖クルーネック | ¥1,900 |
| 中に着るもの | プレミアム超撥水ソフトシェルトレックライトフーディ | ¥2,500〜 |
| ズボン | プレミアム超撥水ソフトシェルトレックライトパンツ | ¥1,900 |
| 雨具 | イナレム ストレッチレインスーツ(上下) | ¥5,500 |
| 合計 | ¥11,800〜 | |
※2026年9月6日にワークマン公式オンラインストアで確認した価格(税込)です。
同じものを登山ブランドで揃えると
比べると差がはっきりします。
- 肌着…モンベル スーパーメリノウール L.W. 7,590円(ワークマンの4倍)
- 雨具…モンベル ストームクルーザー 上22,000円+レインパンツ14,000円=36,000円(同6.5倍)
雨具だけでワークマン一式3回分なんですよね。ここが「ワークマンで始める」の強みかなと思います。
雨具はメーカーの基準を満たしている
「安いから性能も低いのでは」と思われるところなので、数字で書きます。
モンベルは商品ページにこう書いています。
レインウエアに求められる耐水圧20,000mm以上をクリアした素材のみを使用しています
作っている側が示した合格ラインですね。ワークマンのイナレムは、これを満たしています。
| ワークマン イナレム | モンベル サンダーパス | |
|---|---|---|
| 値段 | 上下 ¥5,500 | 上のみ ¥10,850 |
| 耐水圧 | 20,000mm | 20,000mm以上 |
| 透湿性 | 25,000g | 15,000g |
※ワークマンは公式サイト掲載値(品番NR001)、モンベルは公式オンラインストア掲載値。2026年9月時点。
透湿性の数字だけ見ると、イナレムのほうが上なんですよね。しかも上下セットで半額です。
上位モデルもある
イナレムのほかに、こういうものも並んでいました。
- フューチャーテックレインスーツ…4,900円
- エックスシェルター 超透放湿レインジャケット…5,800円
- エックスシェルター 超透放湿ハードシェルレインスーツ…7,800円
とはいえ最初の1着はイナレムで足ります。上下そろって5,500円で、基準を満たしているので。
秋と冬で、何をどう足すか
「秋の登山の服装」で探している方が多いので、季節ごとの組み立てを書きます。ベースは同じで、足すものが変わるだけです。
秋(9月〜11月・気温10〜20℃)
低山ならこの3枚で足ります。
- 肌着…メリノウール100 長袖クルーネック 1,900円
- 上に1枚…プレミアム超撥水ソフトシェルトレックライトフーディ 2,500〜2,900円
- ズボン…プレミアム超撥水ソフトシェルトレックライトパンツ 1,900円
秋でいちばん多い失敗は着すぎかなと思います。登り始めは寒くても、20分も歩けば暑くなるんですよね。寒いくらいで歩き出すのがちょうどいいです。
そのぶん、山頂で止まると一気に冷えます。ザックに1枚入れておくのを忘れないでください。
冬(12月〜2月・気温0〜10℃の低山)
秋の3枚に、暖かい層を1枚足します。
- 足すもの…エックスシェルター快適断熱Σテックカーディガン 2,990円
- または…メリノテック アクティブインサレーションクライミングパンツ 2,900円(下半身が寒い人)
ここも着たまま登らないことです。暖かい層は、止まったときに着るためのものなので。
風が強い日は、上に薄いものを1枚
気温より風のほうが体感を下げます。稜線に出ると急に寒くなるのは、たいてい風なんですよね。
- 耐久撥水シェルジャケット 1,900円
- 高撥水UVエアーウィンドシェルトレックフーディー 2,900円
雨具(イナレム)でも風は止まるので、持っているならわざわざ買い足さなくても大丈夫です。荷物を減らしたいなら、雨具1枚で兼ねてしまうのが早いかなと。
組み合わせの早見
| 気温の目安 | 歩いている間 | 止まったとき |
|---|---|---|
| 15〜20℃ | 肌着+ズボン | フーディを羽織る |
| 10〜15℃ | 肌着+フーディ | 雨具を風よけに |
| 5〜10℃ | 肌着+フーディ | 断熱系を1枚 |
| 0〜5℃ | 肌着+断熱系 | さらに雨具を上から |
歩いている間と止まったときで着るものを変える。これだけ覚えておけば、冬の低山はだいたい大丈夫かなと思います。
ワークマンで揃わないもの|靴とザック
ここが正直に書きたいところです。この2つは、ワークマンでは代わりになりません。
登山靴
ワークマンにもトレッキング向けの靴はあります。ただ登山靴として見ると、足首の支えとソールの硬さが足りません。
整備された道を短時間歩くだけなら履けます。ただ岩や木の根が出ている道、下りが長い道になると、はっきり差が出るんですよね。ここは転ぶかどうかの話なので、値段で妥協しないほうがいいところかなと。
登山靴は2万円前後が入り口です。ただ最近は型落ちが安く買えるので、そこを狙えば1万円台後半で収まります。
いま実際の値段を見ると、定番の入門モデルなら1万3千円台から出ています。ワークマンの服と合わせるなら、このあたりが入り口かなと思います。
| 製品名 | こんな人向け | 価格 | 防水 | カット | おすすめ用途 |
|---|---|---|---|---|---|
|
キャラバン C1_02S
|
いちばん安く ★★★★☆ |
約13,200円〜 | GORE-TEX | ミッド | 最初の1足を安く |
|
コロンビア セイバー6 ミッド アウトドライ
|
軽さ重視 ★★★★☆ |
約13,300円〜 | アウトドライ | ミッド | アウトドライを試したい人 |
|
メレル モアブ3 シンセティック ミッド ゴアテックス
|
売れ筋から ★★★★★ |
約19,400円〜 | GORE-TEX | ミッド | 売れ筋から選びたい人 |
ザック
ワークマンのバックパックは4,900円で買えますが、登山用ではありません。
違うのは背面長を体格に合わせられるかです。登山用のザックは、荷物の重さを肩ではなく腰で受けるように作られています。これが合っていないと、全部肩に来るんですよね。
日帰りなら1万円台から選べます。ここも最初に買っておくと、後がずっと楽です。
日帰りの登山ブランドなら、1万1千円台からあります。背面の長さが合うかどうかがいちばん大事なので、迷ったら店で背負ってみてください。
| 製品名 | こんな人向け | 価格 | 容量 | おすすめ用途 |
|---|---|---|---|---|
|
サロモン TRAILBLAZER 30
|
いちばん安く ★★★★☆ |
約11,500円〜 | 30L | いちばん安く登山ブランドで揃えたい人 |
|
ドイター フューチュラ 23
|
背中が蒸れる人 ★★★★★ |
約13,700円〜 | 23L | 背中の蒸れが気になる人 |
|
カリマー オースター 30
|
体格に合わせる ★★★★☆ |
約16,300円〜 | 30L | 30Lで体格に合わせて選びたい人 |
まとめると
| ワークマン | 登山ブランド | |
|---|---|---|
| 肌着・中間着・ズボン | これで足ります | — |
| 雨具 | これで足ります | — |
| 小物(手袋・帽子など) | これで足ります | — |
| 登山靴 | 代わりになりません | ここは買う |
| ザック | 代わりになりません | ここは買う |
服をワークマンで抑えて、浮いたぶんを靴とザックに回す。これがいちばん失敗しない配分かなと思います。
ワークマンで行ける山・行けない山
装備の話をしたので、次はどこまで行けるかです。
| 行ける | 行かないほうがいい |
|---|---|
| 標高1,000m前後の低山 | 標高2,500m以上 |
| 整備された登山道 | 岩場・鎖場 |
| 日帰り | 山小屋泊・テント泊 |
| 天気の良い日 | 雪や氷のある時期 |
| 人が多いコース | 人の少ないコース |
境界線がどこにあるか
ざっくり言うと、「引き返せるかどうか」です。
低山の日帰りなら、寒くなっても、雨に降られても、1〜2時間で下りられます。装備が足りなくても、引き返すという逃げ道がある。
高い山や泊まりになると、そこが変わります。すぐに下りられない場所で装備が足りないと、逃げ道がなくなる。だから同じ服でも意味が違ってくるんですよね。
なので「ワークマンだから危ない」ではなく、「引き返せない山には、引き返せない前提の装備で行く」という話かなと思っています。

2026年秋冬で変わったこと
去年から入れ替わっているところを書いておきます。
「断熱β」は「快適断熱Σ」に
エックスシェルターの断熱シリーズが世代交代しています。去年の「断熱β」は、今は「快適断熱Σ」という名前で並んでいますね。
- エックスシェルター快適断熱Σテックカーディガン…2,990円
- エックスシェルター快適断熱Σテック長袖シャツ…2,990円
さらに上に「断熱α」という系統もあって、こちらは4,900円。ただし予約販売で店舗受け取り限定でした。
9月上旬は、まだ秋冬物が並びきっていない
これは知っておいたほうがいいところです。9月の頭に見た時点では、メンズのインナー売り場に冬物がまだ出ていませんでした。
ちなみに並んでいたのは「シン・ホッとするインナー」990円や「メディヒール インナー」1,490円といった、通年寄りのものでした。
メリノウール100(1,900円)は商品ページとしては生きていますが、売り場の主役になるのはもう少し先かなと。本格的に揃えるなら10月以降のほうが選べます。
ソフトシェル系は値段の幅が広がった
プレミアム超撥水ソフトシェルトレックライトフーディが2,500円から2,900円と、色やサイズで差が付いています。去年は一律2,900円でした。
色を選ばなければ400円安く買えます。気にしないなら、そこは拾っておいてもいいかなと思います。
よくある質問
ワークマンだけで登山の装備は揃いますか?
服は揃いますが、靴とザックは揃いません。
肌着・中間着・ズボン・雨具はワークマンで足ります。合計1万2千円台です。
ただし登山靴とザックは代わりになりません。登山靴は足首の支えとソールの硬さが、ザックは背面長の調整が、それぞれ登山用とは別物だからです。
服をワークマンで抑えて、浮いたぶんを靴とザックに回すのが、いちばん失敗しない配分かなと思います。
ワークマンの装備でどこまでの山に行けますか?
標高1,000m前後の低山を、整備された道で、日帰りで歩くぶんには問題ありません。
避けたほうがいいのは、標高2,500m以上、岩場や鎖場、山小屋泊やテント泊、雪や氷のある時期です。
境界線は「引き返せるかどうか」かなと思っています。低山の日帰りなら、寒くても雨でも1〜2時間で下りられます。すぐに下りられない場所では、装備が足りないと逃げ道がなくなるので。
ワークマンのレインウェアは登山で使えますか?
使えます。イナレム ストレッチレインスーツ(上下5,500円)は耐水圧20,000mm、透湿25,000gです。
モンベルが商品ページで「レインウエアに求められる耐水圧20,000mm以上をクリアした素材のみを使用」と書いているので、その基準は満たしています。
透湿性にいたっては、モンベルの入門モデル(15,000g)より高い数字が出ています。
ワークマンの靴で登山してもいいですか?
整備された道を短時間歩くだけならいけますが、おすすめはしません。
登山靴と違うのは、足首の支えとソールの硬さです。岩や木の根が出ている道、下りが長い道になると差が出ます。
ここは転ぶかどうかの話なので、値段で妥協しないほうがいいところかなと。登山靴は2万円前後が入り口ですが、型落ちを狙えば1万円台後半で収まります。
いつ買いに行くのがいいですか?
秋冬物を本格的に揃えるなら10月以降です。2026年9月の頭に見た時点では、メンズのインナー売り場にまだ冬物が並びきっていませんでした。
ワークマンは人気商品がすぐ売り切れるので、欲しいものが決まっているなら公式オンラインストアで在庫を確認してから店舗へ行くのが確実です。
逆に、雨具(イナレム)のように通年で置いてあるものは、いつでも大丈夫です。
去年の記事で見た「XShelter 断熱β」が見つかりません
世代交代しています。2026年秋冬は「エックスシェルター快適断熱Σ」という名前になりました。
カーディガンと長袖シャツがそれぞれ2,990円です。さらに上に「断熱α」という系統もあり、こちらは4,900円ですが予約販売の店舗受け取り限定でした。
ワークマンは年ごとに商品名がけっこう変わるので、古い記事の商品名で探すと見つからないことがあります。
まとめ
- 服は揃います。肌着・中間着・ズボン・雨具の4点で1万2千円台
- 靴とザックは揃いません。ここは登山ブランドで買ってください
- 雨具のイナレム(上下5,500円)は耐水圧20,000mm・透湿25,000g。メーカーが掲げる基準を満たしています
- 行けるのは1,000m前後の低山を、整備された道で、日帰りまで
- 境界線は「引き返せるかどうか」。すぐ下りられない山は別の話になります
- 2026年秋冬は「断熱β」が「快適断熱Σ」に。商品名がけっこう変わります
- 本格的に揃えるなら10月以降。9月上旬はまだ冬物が並びきっていません
ワークマンで全部済ませようとすると無理が出ますし、逆に全部を登山ブランドで揃えると10万円近くかかるんですよね。服はワークマン、靴とザックは登山ブランド。この分け方が、いちばん現実的だと思っています。











私が登山を始めたとき、いちばん困ったのが「どこまで安く済ませていいのか」が誰も書いてくれないことでした。
「安物は危ない」と書いてある記事と、「全部ワークマンでいける」と書いてある記事の両方があって、どっちなんだと。
何回か歩いてみて思ったのは、服はけっこう何とかなるけれど、靴だけはごまかせないということでした。足が痛いと、その日はもう楽しくないので。だからこの記事では、そこだけははっきり分けて書いています。