はじめに|「どれを選べばいい?」ザック迷子のあなたへ
登山を始めたばかりの頃、最初にぶつかる壁のひとつが
「ザック、何を選べばいいの?」という悩みではないでしょうか。
とくに日帰り登山の場合、どれくらいの容量が必要なのか、どんな形が使いやすいのか、正解が分からず迷う人も多いはず。
私自身も最初のザック選びでは、
「そもそも何に気をつけて選べば良いのか?」
「リュックサックと何が違うのか?」
「ハイキング用に別途準備する必要があるのか?」
など、色々よくわかっていないなかでザックを探していました。
今回sagasuでご紹介するのは、20L〜30Lクラスの「軽快に歩ける日帰り向けザック」です。
このサイズ帯は、弁当やレインウェア、防寒着などの必携アイテムが無理なく入り、しかもコンパクトで行動しやすい。
軽さと収納力のバランスに優れ、初心者にも扱いやすいのが特徴です。
この記事では、実際に私が使っているモデルを含めたおすすめ4選を紹介します。
どれも信頼性が高く、登山初心者〜中級者に向けて安心してすすめられるモデルばかりです。
登山をもっと快適に、もっと楽しくするための“相棒”を、ぜひ一緒に見つけていきましょう。
日帰りザック選びの3つのポイント
まずよくあるのが、
「登山って、普段使っているリュックじゃダメなの?」という疑問。
もちろん最初の1回、短時間の低山ハイク程度であれば、普段のリュックでも登れなくはありません。
でも、荷物が増えたり、長く歩いたり、坂道が続くようなルートになると、その差は如実に現れてきます。
登山ザックは、「長く背負っても疲れにくい構造」「体にしっかりフィットする作り」「汗や雨への対策」など、
山を快適に歩くための工夫が詰まったギアです。見た目は似ていても、実際に使ってみると背負い心地や使いやすさがまったく違います。
胸のところに意味不明なバックル(チェストストラップ)がついていたり、無駄にゴツい腰回りのベルト(ヒップベルト)がついていたりするのは、ちゃんと意味があるんですね。
とくに日帰りハイク用なら、以下の3つを意識して選ぶと失敗しにくくなります。
背負い心地とフィット感が最優先

長時間の山歩きでは、体への負担を軽減してくれるザックの構造がとても重要です。
背面パネルの通気性や、肩・腰へのフィット感が悪いと、汗ムレや肩こりの原因にもなります。
とくに夏場は背中が蒸れやすくなるため、メッシュ構造や立体的な背面パッドがあるモデルがおすすめ。
また、ザックの揺れを抑えるチェストストラップやヒップベルトの位置も、試着して確かめておきたいポイントです。
容量は20〜30Lがベストバランス

日帰り登山に必要な荷物は、弁当・水・レインウェア・防寒着・ファーストエイドなど。
これらを無理なく収納し、かつザック自体が大きすぎないのが、20L〜30Lというサイズ感です。
小さすぎると荷物が入りきらず、大きすぎると余白が無駄になって荷物がブレやすくなります。
ザックは「ちょうどよく収まるサイズ感」が、結果的に快適さにつながるんですね。
ちなみに私も一時期、
「大は小を兼ねる!」と思って、日帰りハイクにも40Lのザックを背負っていたことがありました。
でも、実際は微妙にバランスが取りにくかったり、
電車で座っているときに抱き心地が悪かったりして、正直扱いにくかったです。
いまではすっかり、30L未満の軽快なザックに落ち着いています。
ポケット配置と荷物の出し入れやすさもチェック

行動中に頻繁に出し入れするアイテム(飲み物、行動食、地図、スマホなど)は、アクセスしやすい場所に収納できるかがとても重要です。
もちろん、サコッシュやウエストポーチに役割をもたせる方法もありますが、
それでもザックの中で「どこに何を入れるか」をある程度決めておくと、「あれ?どこいった?」がなくなります。
特に、鍵や財布などの貴重品は入れる場所を固定しておくのが安心。
サイドポケットやヒップベルトの収納、上部や前面のサブ気室などの作りは要チェックです。
また、ザックの開き方(トップローディング or ジッパーアクセス)によっても使い勝手は大きく変わります。
とくに初心者には、ジッパーでガバッと開けられるタイプのほうが扱いやすく、荷物の出し入れにストレスがありません。
実際に使っているおすすめザック4選
ドイター FUTURA 23|通気性と安定感のバランスが秀逸
私が現在も日帰り登山で愛用しているのが、ドイターのFUTURA 23(フューチュラ 23)です。
登山ザック界では定番中の定番ともいえるモデルで、背負い心地・耐久性・機能性のバランスがとても優れています。
一番の特徴は、ドイター独自の「エアコンフォートシステム」と呼ばれる背面構造。
メッシュで背中が浮いた状態になるので、背中の蒸れが圧倒的に少ないのが魅力です。
夏場のハイクでは、これがあるだけで快適さが全然違います。
ショルダーベルトやヒップベルトも適度な厚みがあり、ザックの揺れをしっかり抑えてくれるのも好印象。
長時間歩いていても腰や肩にストレスがかかりにくく、荷物の重さをうまく分散してくれます。
容量も23Lと日帰りにはちょうどよく、両サイドのメッシュポケットやレインカバー内蔵など、基本機能もぬかりなし。
軽快なハイキングから、やや長めの縦走寄りコースまで、幅広いフィールドで使える一品です。
ちなみに、「ドイターってちょっとダサくない?」なんて声もたまに聞こえてきますが、とんでもない。
シンプルだけど必要な機能はしっかり備えている、個人的に激推しのメーカーです。
ノースフェイス テルス25|初心者も選びやすい安心の定番モデル
「最初の1つにノースフェイスを選ぶのってどうなんだろう?」と迷う人もいるかもしれません。
でもこのテルスシリーズは、“見た目のブランド感”を抜きにしてもちゃんと実力派です。
というか、ノースフェイスは街寄りのイメージも強いかもしれませんが、アウトドアギアとして非常に優秀なんです。
2023年にモデルチェンジされたこのテルス25(NM62369)は、
日帰り登山にちょうどよいサイズ感と、シンプルで扱いやすい構造が魅力。
背面長はワンサイズですが、独自の「トランスファーシステム」がフィット感をしっかり高めてくれます。
ジッパーで大きく開くメイン収納は初心者にも扱いやすく、荷物の出し入れがスムーズ。
フロントのストレッチポケットや両サイドのボトルポケット、ウエストベルトの小物入れなど、収納力も充実しています。
また、雨蓋のようなトップポケットは小物整理に便利で、急な天候変化にも対応しやすい設計。
見た目はスタイリッシュだけど、中身はかなり堅実な作りで、「とりあえずこれを選んでおけば失敗しにくい」といえる安心感があります。
街使いとの兼用もしやすく、アウトドア初心者〜中級者が最初の相棒に選ぶなら、有力候補のひとつです。
ミレー クンブ マウンテン クルーズ 22|街から山へ、直行できる多用途モデル
「通勤にも使えるようなデザインだけど、週末はちゃんと山も歩きたい」
そんなニーズにハマるのが、ミレーのクンブ マウンテン クルーズ 22です。
一見するとシンプルでスッキリしたフォルムですが、背面パネルやヒップベルトなどの構造は本格的な山用仕様。
背負いやすさと通気性を両立した背面設計で、軽めのハイクでもしっかりフィットし、快適に歩けます。
最大の特徴は、収納の多さと整理のしやすさ。
ジッパーで大きく開くメイン収納に加え、フロント・サイド・ショルダーハーネス・ヒップベルトと、
至るところに大小のポケットが配置されていて、「どこに何を入れるか」を自然と決められる構造です。
また、ヒップベルトは取り外してウエストバッグとしても使用可能。
旅先での観光や街歩きではヒップバッグとして使い、登山のときだけザック本体に戻す、といった使い分けもできます。
トレッキングや里山ハイクはもちろん、旅行・通勤・街使いまでカバーする多用途派ザックを探している方にぴったりの一品です。
カリマー ridge 30+|山を歩くために生まれた英国発の堅実モデル
「背負いやすさ」×「信頼性」という軸で登山ザックを選ぶなら、カリマーのridge(リッジ)シリーズも候補に入れておきたいところ。
特にこのridge 30+は、登山専用ザックらしい作りの良さと安心感が魅力です。
まず背面には、カリマー独自の“SAシステム”と呼ばれる背面調整機構が搭載されており、自分の体格に合わせてフィット感を調整可能。ザックと身体がぴったりと一体化する感覚が得られ、長時間の登山でも疲れにくい構造になっています。
荷室はシンプルな1気室構造ながら、フロントポケットやサイドポケット、ヒップベルトの収納など必要な機能が過不足なく配置。
上部の雨蓋やボトム部分にはアイテムを分けて入れやすく、荷物が多くなりがちな季節のハイクにも対応できます。
容量は30L+αと、やや大きめの部類ですが、冬場の防寒装備や軽めの山ごはん装備などを入れても余裕があるため、
「少し荷物が多くなりがち」「春〜秋だけでなく冬にも使いたい」といった方には特におすすめです。
堅実で信頼できる“山ザック”を選びたい人に、間違いない選択肢のひとつです。
日帰り登山ザックのFAQ
Q. 普段使っているリュックと、登山ザックって何が違うの?
一番の違いは「長時間背負っても疲れにくい構造」です。登山ザックは背面パネルや腰ベルトなどで荷重を分散し、肩や背中への負担を減らす工夫がされています。さらに、雨や汗への対策、ポケットの配置なども山での使いやすさを前提に作られているため、見た目は似ていても快適さや安全性に大きな差があります。
Q. 25Lと30L、どっちが正解?容量の目安が知りたいです。
基本的に日帰り登山であれば20L〜30Lが目安です。装備が少なめなら20L台でも十分ですが、防寒着や山ごはん装備を入れたい人は30L前後あると安心。大は小を兼ねるとはいえ、大きすぎると荷物がブレやすくなるので、「ちょうどよく収まるサイズ」が快適さにつながります。
Q. レインカバーって本当に必要?
急な雨が多い山では必須レベルのアイテムです。ザックの中が濡れると衣類や食料が使えなくなってしまうため、レインカバーは保険の意味でも持っておくのが安心。内蔵タイプのザックなら忘れにくいので、初心者には特におすすめです。
Q. 登山だけじゃなく、通勤や旅行にも使えますか?
モデルによりますが、シンプルなデザインやポケット配置が工夫されているザックなら兼用可能です。たとえば、ミレーやノースフェイスの一部モデルは街でも自然に使えます。一方で、カリマーやドイターは登山感がやや強めなので、山用として割り切るのも一案です。
私も山用ザックを普段使いしていた時期があったのですが、街では絶対使わないヒップベルトや山では必須、街では飾りなトレッキング用ポールの収納場所などが地味に邪魔で、結局使い分けてます。
まとめ|自分に合った“ちょうどいい”ザックを選ぼう
日帰り登山では、持ち物が過不足なく収まり、快適に行動できるザック選びが重要です。
今回ご紹介した20L〜30Lクラスは、軽快さと収納力のバランスに優れた“登山初心者の最初の一歩”に最適なサイズ帯。
ザックは「何でも入る大きさ」ではなく、「必要なものだけをきれいに収められるサイズ」がベスト。
自分の行動パターンと好みに合った相棒を選べば、登山の快適さが一段階アップします。
まずは気になる1つを見つけて、次の山歩きに連れて行ってあげてください。
モデル名 | 容量 | 特徴 | レインカバー | 街兼用 | 向いている人 |
---|---|---|---|---|---|
ドイター FUTURA 23(3400121) | 23L | 背面メッシュ構造で蒸れにくく、安定した背負い心地 | ◎内蔵 | △やや山寄り | 夏場でも快適に歩きたい、バランス重視派 |
ノースフェイス テルス25(NM62369) | 25L | スタイリッシュで扱いやすい構造。ジッパー開閉で初心者向き | ◎内蔵 | ◎街でも使いやすい | 初めての登山ザックに安心感が欲しい人 |
ミレー クンブ マウンテン クルーズ 22(MIS01307) | 22L | ポケット豊富&ウエストバッグ分離可。旅にも対応する多用途設計 | ✕なし | ◎旅行・街兼用OK | 街〜山まで1つで済ませたい人 |
カリマー ridge 30+(501206) | 30L+α | 背面長調整付き。冬装備もOKな堅実派モデル | ◎内蔵 | △登山専用感が強め | 季節問わず歩きたい、しっかり派 |