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紅葉の中禅寺湖サイクリング|湖畔と戦場ヶ原を走る20kmの秋旅

紅葉の中禅寺湖サイクリング
標高1,200mの奥日光・中禅寺湖で紅葉ライド!湖畔と戦場ヶ原を走る往復20kmの高原コース。Eバイク対応・レンタル可で日帰り旅も可能。静けさと絶景が待つ秋のサイクリングを紹介します。
体力難易度:★★☆☆☆
– 往復21.5km、獲得標高180mと適度な距離で、休憩ポイントも充実している初心者向けコース
技術難易度:★★☆☆☆
– 全線舗装路で交通量少なめ、緩やかなアップダウンのみで特別な技術は不要
距離の目安:約21.5km(往復)
目次

標高1,200mの奥日光で楽しむ、紅葉と湿原の絶景サイクリング。中禅寺湖の湖畔と戦場ヶ原を巡る約21.5kmのルートは、秋の日光を代表する景色を効率よく堪能できる理想的なコースです。

中禅寺湖は地図上では一周できそうに見えますが、実は湖の南岸に道がなく、自転車では完全な一周は不可能です。そのかわり、湖畔の紅葉区間と戦場ヶ原を組み合わせた「半周+高原ループ」コースが実走ルートとして定番となっています。

中禅寺湖の紅葉サイクリング風景
紅葉に彩られた中禅寺湖畔のサイクリングルート。湖面に映る男体山と紅葉のコントラストが美しい

走行距離は約21.5km、獲得標高は約180mと適度なアップダウンがありながらも、舗装路中心で初心者から中級者まで楽しめるコースです。交通量の少ない林道区間も多く、自然の中をマイペースで走る気持ちよさを存分に味わえます。

ルート概要

歌ヶ浜駐車場を起点に、湖畔の紅葉ゾーンを抜けて戦場ヶ原の展望台まで往復する約21.5kmの半日コース。片道約12kmの道中には、湖・滝・湿原という変化に富んだ風景が待っています。

距離 約21.5km(往復)
獲得標高 約180m
所要時間 1.5〜2時間(走行のみ)/ 3.5〜4時間(観光・休憩含む)
路面状況 アスファルト舗装路メイン
難易度 初心者〜中級者向け
推奨季節 秋(10月中旬〜11月上旬)
スタート/ゴール 歌ヶ浜駐車場〜歌ヶ浜駐車場

※所要時間は個人差があります。初心者の方は余裕を持って計画してください。
※掲載情報は2025年11月時点のものです。天候や道路状況により変更される場合がありますので、出発前に最新情報をご確認ください。

ルート上のポイント一覧

記号 ポイント名 解説
A(=H) 歌ヶ浜駐車場 トイレ・案内所併設。有料駐車場だが拠点に最適
B イタリア大使館別荘記念公園 湖面越しに男体山を望む絶景デッキ。寄り道スポット
C 菖蒲ヶ浜レストハウス 紅葉林道の中間地点。軽食・トイレ完備
D 竜頭の滝 紅葉の名所。210m流れる階段状の渓流瀑
E 赤沼茶屋・自然情報センター 戦場ヶ原エリア入口。最後の補給ポイント
F 三本松茶屋(戦場ヶ原展望台) 標高約1,400m。湿原と男体山の大パノラマ
G 歌ヶ浜駐車場(ゴール) 同ルートを戻って到着。温泉・グルメは中禅寺温泉街で

スポット紹介

A: 歌ヶ浜駐車場(スタート地点・0km)

歌ヶ浜駐車場周辺の中禅寺湖畔
歌ヶ浜駐車場周辺の中禅寺湖畔。サイクリングのスタート地点として最適な拠点

中禅寺湖畔の主要拠点として、トイレ・案内所が併設された有料駐車場です。レンタサイクル店も徒歩圏内にあり、輪行者はバス停「中禅寺温泉」から徒歩でアクセス可能。マイカー派も安心して駐車できます。紅葉シーズンの週末は混雑するため、8時前の早朝到着がおすすめです。スタート地点からイタリア大使館別荘記念公園まで約1.1km。

B: イタリア大使館別荘記念公園(累積1.1km地点)

イタリア大使館別荘から望む中禅寺湖と男体山
イタリア大使館別荘記念公園から望む中禅寺湖と男体山。水面に映る紅葉が美しい絶景スポット

スタートから約1.1km地点にある寄り道スポット。湖面にせり出したデッキから男体山を望む絶景が楽しめます。かつて国際的な避暑地として栄えた中禅寺湖の歴史を感じられる建物で、園内は自転車を押しての入場となります。朝の時間帯は観光客も少なく、静かな空間に秋の光が差し込む美しい風景が広がります。

※重要: イタリア大使館方面は行き止まりのため、菖蒲ヶ浜へ向かうには一度歌ヶ浜方向へ戻り、国道120号(北岸ルート)を経由します。この往復約2.2kmが今回の総距離に含まれています。ここから菖蒲ヶ浜レストハウスまで約6.8km。

C: 菖蒲ヶ浜レストハウス(累積7.9km地点)

菖蒲ヶ浜の紅葉風景
菖蒲ヶ浜周辺の紅葉。カラマツやモミジが色とりどりに湖畔を彩る

スタートから約7.9km地点、湖畔ルートの中間拠点として重要なポイントです。軽食・トイレが完備されており、ここまでの道のりで「紅葉のトンネル」と呼ばれる美しい林道区間を通過します。カラマツやモミジが並ぶ静かな舗装路では、湖面に映る紅葉と男体山の景色が幻想的です。ここから竜頭の滝まではわずか約0.8km。

D: 竜頭の滝(累積8.7km地点)

紅葉に彩られた竜頭の滝
紅葉シーズンの竜頭の滝。階段状の岩場を流れ落ちる滝と紅葉のコントラストが見事

スタートから約8.7km地点、奥日光三名瀑のひとつとして知られる紅葉の名所。約210mにわたって階段状の岩場を勢いよく流れる渓流瀑で、滝つぼ近くが大きな岩によって二分される特徴的な形状から「竜頭」の名が付けられました。滝見茶屋や売店もあり、ちょっとしたコーヒーブレイクにも最適。紅葉シーズンは混み合うため、早めの時間帯の訪問がおすすめです。ここから赤沼茶屋まで約2.3kmの登り坂が続きます。

E: 赤沼茶屋・自然情報センター(累積11.0km地点)

赤沼周辺から戦場ヶ原へ続く道
赤沼周辺から戦場ヶ原へ続く道。ここが戦場ヶ原エリアへの入口となる

スタートから約11.0km地点、戦場ヶ原エリアへの入口となる重要な中継地点です。トイレ・ベンチが完備されており、ここが補給のラストチャンス。竜頭の滝からここまでの約2.3kmが今回のルートで一番の登り坂となりますが、勾配は緩やかで初心者でも安心です。戦場ヶ原以北は売店がないため、水・補給食はここで確保しましょう。ここから戦場ヶ原展望台まで約1.0km。

F: 三本松茶屋(戦場ヶ原展望台)(累積12.0km地点)

戦場ヶ原展望台からの男体山眺望
戦場ヶ原展望台からの絶景。標高約1,400mの湿原と男体山、太郎山を一望できる

スタートから約12.0km地点、今回のルートの折り返し地点となる絶景スポット。標高約1,400mに広がる戦場ヶ原と男体山の大パノラマが楽しめます。ここまで湖畔の紅葉を楽しんできた景色とは一変し、視界の先にはススキや湿原が広がり、その向こうには紅葉に染まった山々の姿。天気の良い日には、空と草原と紅葉の三層が重なった秋だけの絶景コントラストを堪能できます。ここからゴールまで約9.5kmの帰路は下り基調で楽に走れます。

G: 歌ヶ浜駐車場(ゴール地点・累積21.5km)

湖畔の紅葉トンネル
帰路で通る湖畔の紅葉トンネル。落ち葉が積もる静かな舗装路が続く

総距離21.5kmを走破してゴール到着。来た道を戻るルートですが、帰りは下り基調で楽に走れるうえ、行きとは違う角度から紅葉や男体山を眺められます。ライド後の身体と心をゆるめるため、中禅寺温泉街での温泉・グルメタイムもお忘れなく。

アクセス・レンタサイクル情報

公共交通でのアクセス

東京から日帰り可能な高原ライドとして貴重な存在です。浅草駅発の東武特急リバティで約2時間、東武日光駅から東武バス中禅寺温泉行きで約40分。中禅寺温泉バス停から歌ヶ浜駐車場まで徒歩約10分です。

輪行する場合は輪行袋の使用が必須。バスは混雑するため、朝早い便または平日利用がおすすめです。

マイカーでのアクセス

日光宇都宮道路清滝ICからいろは坂経由で約30分。歌ヶ浜駐車場は有料(6時間まで500円、6時間超1,000円)ですが、トイレ・案内所も併設されており拠点として最適です。紅葉シーズンの週末は早朝(8時前)到着が必要です。

※2024年4月より奥日光エリアの県営駐車場が有料化されました。

レンタサイクル

中禅寺温泉バス停周辺に複数のレンタサイクル店があります。クロスバイク、Eバイク、マウンテンバイクなど車種は意外と豊富で、アップダウン対策にはEバイクが最適です。紅葉シーズンなど混雑期は事前予約がベター。観光案内所で紹介してもらえます。

補給ポイント・休憩施設

湖畔から戦場ヶ原へ向かう道中は、売店や自販機の数が限られます。特に赤沼以北はトイレや補給ポイントがほとんどないため、計画的な準備が重要です。

地点名 累積距離 施設 備考
歌ヶ浜駐車場 0km トイレ・案内所 スタート前の最終確認地点
イタリア大使館別荘 1.1km ベンチ・トイレ 湖面を眺めながら休憩可能
菖蒲ヶ浜レストハウス 7.9km 軽食・トイレ 中間地点での重要な補給ポイント
竜頭の滝 8.7km 売店・茶屋 名物の雑煮や蕎麦で補給可能
赤沼茶屋 11.0km トイレ・ベンチ 最終補給ポイント

おにぎり・補給食・水分は出発前に確保し、トイレは赤沼茶屋で済ませておくことをおすすめします。菖蒲ヶ浜や竜頭の滝にある売店は営業時間を事前確認しておくと安心です。

季節・服装・注意事項

紅葉の見頃とベストシーズン

例年の見頃は10月中旬〜下旬です。中禅寺湖畔や竜頭の滝周辺は標高が高く、日光市街より1〜2週間ほど早く色づき始めます。週末は混雑しやすいため、平日や早朝スタートがベターです。

高地特有の気候への対策

中禅寺湖〜戦場ヶ原エリアは標高約1,200〜1,400mの高原地帯。秋は紅葉が美しい反面、想像以上に冷え込むことがあるので、事前の備えが安心ライドのカギになります。

  • 防寒対策: 朝晩10℃を下回ることも。ウィンドブレーカー、指ありグローブ、ネックゲイターを携行
  • 重ね着推奨: 日中は暑くなる前提で、調整しやすい装備がおすすめ
  • 体感温度: サイクリング中は体感温度が下がるため、停車時の防寒も考慮

野生動物対策と走行ルール

奥日光エリアはクマの生息域でもあります。日中の観光地では遭遇リスクは低いですが、人通りの少ない林道や早朝の走行時は注意が必要です。

また、戦場ヶ原の自然研究路(木道)は自転車走行禁止です。サイクリングは並走する国道120号を走行します。誤ってハイキングコース内に進入しないようご注意ください。

  • 熊鈴や小型ラジオをつけて走る
  • 見通しの悪いカーブでは声を出したり音を鳴らす
  • クマのフンや掘り跡に気づいたら、その場で引き返す判断も

「気をつけすぎるくらいでちょうどいい」くらいの心づもりで走行しましょう。

ご褒美スポット(温泉・グルメ)

日帰り温泉

サイクリング後に冷えた身体をほぐすなら、温泉街にある日帰り入浴OKの宿泊施設を活用しましょう。

  • 中禅寺金谷ホテル「空ぶろ」: 13:00〜15:00(1,800円、受付時間が短いため要注意)。乳白色の硫黄泉&露天風呂付き。ゴール後すぐ直行推奨
  • 奥日光ホテル四季彩: 15:00〜18:00(1,500円)。森の中に溶け込むような露天風呂が魅力

どちらもサイクリングの終盤に自転車で立ち寄りやすい距離にあるため、温泉で締めくくるプランにもぴったりです。

グルメ

トンカツ浅井では、精肉店直営の揚げたてジューシーなロースかつ定食が味わえます。自転車で消費したカロリーを美味しく取り戻せるうえ、店の前には簡易的な駐輪スペースもあり。混雑するお昼どきを避けて、11時台や14時以降の訪問が狙い目です。

よくある質問(FAQ)

初心者でも走れますか?

はい、初心者の方でも楽しめるコースです。総距離21.5km、獲得標高180mと適度なアップダウンはありますが、舗装路中心で交通量も少なく安心して走行できます。Eバイクのレンタルもあるため、体力に不安がある方にもおすすめです。

所要時間はどのくらいですか?

走行のみで約2時間、観光・休憩を含めると3.5〜4時間程度が目安です。竜頭の滝見学や戦場ヶ原での写真撮影、温泉などを楽しむ場合は、さらに時間に余裕を持って計画することをおすすめします。

レンタサイクルはありますか?

中禅寺温泉バス停周辺に複数のレンタサイクル店があります。クロスバイク、Eバイク、マウンテンバイクなど車種も豊富です。アップダウンがあるルートのため、Eバイクが特に人気。紅葉シーズンは混雑するので事前予約をおすすめします。

補給ポイントはありますか?

菖蒲ヶ浜レストハウス(7.9km地点)、竜頭の滝(8.7km地点)、赤沼茶屋(11.0km地点)に補給施設があります。ただし、赤沼以北は売店がないため、水・補給食は早めに確保しておきましょう。

輪行は必要ですか?

必須ではありませんが、輪行できると旅の選択肢が広がります。東武日光駅から中禅寺温泉まではバス利用となり、輪行袋の使用が必要です。現地でのレンタサイクル利用も可能なので、ご自身のスタイルに合わせて選択してください。

ベストシーズンはいつですか?

紅葉を楽しむなら10月中旬〜下旬がベストシーズンです。中禅寺湖畔は標高が高いため、日光市街より1〜2週間早く色づきます。混雑を避けるなら平日や早朝スタートがおすすめ。夏は避暑地として快適に走行できます。

雨の日は走れますか?

雨の日の走行は推奨しません。標高の高い奥日光では視界が悪くなりやすく、路面も滑りやすくなります。また、せっかくの紅葉も楽しめません。天候が不安定な場合は、事前に天気予報を確認し、晴天の日を選んで訪れることをおすすめします。

おすすめの立ち寄りスポットは?

イタリア大使館別荘記念公園では湖面越しの男体山が絶景、竜頭の滝は奥日光三名瀑の一つで紅葉の名所です。ライド後は中禅寺金谷ホテルやトンカツ浅井での温泉・グルメもおすすめ。戦場ヶ原展望台からの湿原パノラマは必見です。

まとめ

紅葉に染まる湖と、草紅葉が揺れる湿原。奥日光・中禅寺湖のサイクリングは、派手な絶景ではなく、じんわりと心に染み入るような風景と時間を届けてくれます。

アップダウンがあってもEバイクで快適に走れ、クロスバイクでも無理なく楽しめる21.5kmのコース。東京からもアクセスしやすく、日帰り旅にも、1泊してのんびり回るスタイルにも対応できる、まさに「週末ベストルート」のひとつです。

紅葉の名所として知られる奥日光ですが、自転車で走ることで見えてくる景色や風の心地よさは、また格別。静けさの中で、ふと立ち止まりたくなるような贅沢な時間を、ぜひ体験してみてください。

体力より好奇心でなんとかする—そんな気持ちで、秋の奥日光へ足を向けてみてはいかがでしょうか。きっと心に残る、特別な一日になるはずです。