はじめに|ローカットって必要?登山靴は“重い”だけじゃない
「登山靴といえば、くるぶしまで覆うごついミドルカット」
「ローカットって、なんだか頼りなさそう…」
そう思っている人も多いのではないでしょうか。
実際、ローカット登山靴は初心者にはあまり馴染みがなく、
「いつ履くの?」「そもそも必要なの?」と感じることもあるかもしれません。
でも実は、日帰りの低山ハイクやキャンプ、旅行といった“軽めのアウトドア”では、ローカットの方が圧倒的に快適なんです。
スニーカー感覚なのに、アウトドアに強い

ローカット登山靴は、履き心地がとても軽やかで、足さばきもスムーズ。
一見するとスニーカーのようでも、アウトソールはグリップ力が高く、岩や土でも滑りにくい構造になっています。
舗装路から登山道への切り替えもスムーズで、
「ちょっとした山歩き」や「自然の多いキャンプ場」などにぴったりのバランス感です。
防水・防汚に優れ、天候や地面を気にせず使える

GORE-TEX(ゴアテックス)や独自の防水メンブレンを搭載したモデルが多く、突然の雨やぬかるみでも安心して履けるのがローカット登山靴の強み。
私は旅行先で小雨に降られたとき、足元が濡れずに助かったことが何度もあります。
街用のスニーカーでは不安なシーンでも、ローカット登山靴なら一歩踏み出せる安心感があります。
ローカット登山靴の魅力とは?
ローカット登山靴は、登山靴の中でも軽量で扱いやすく、アウトドア初心者から旅慣れたハイカーまで幅広く支持されています。
ここでは、ローカットの代表的なメリットと注意点を紹介します。
とにかく軽い!スニーカー感覚で歩ける

ローカットは足首まわりのパーツが省かれている分、とにかく軽くて動きやすいのが魅力。
舗装路の多い登山道や、キャンプ場周辺の散策などでは圧倒的な快適さを発揮します。
歩いているときの疲れも少なく、ザックの重量も軽めで済ませる人にはぴったりです。
靴そのものの脱ぎ履きもしやすいので、温泉や宿への立ち寄りが多い旅との相性も◎。
街にも馴染むデザインが多く、旅靴にも最適

最近はデザイン性に優れたモデルも増えており、見た目はほぼスニーカー。
旅行やフェスなど、「街と自然を行き来する」ようなシーンでも履き回ししやすくなっています。
1足でアウトドアから日常までカバーできるため、
「わざわざ登山靴を買うのはちょっと…」という人にも導入しやすいジャンルです。
弱点は“足首のサポート力”がないこと
当然ながら、ローカットは足首を覆わないため、不整地での安定感には限界があります。
特に荷物が重い場合や、岩場・急傾斜が続くような登山道では、足首がぐらつきやすく、疲労や怪我のリスクも高まります。
そのため、ローカットは軽装でのハイクや日帰り登山をメインに考えている人向き。
ただし、ハイキングに限らず、キャンプや旅行、街歩きにも使える汎用性が魅力なので、1足持っておいて損はないと感じています。
本格的な登山(テント泊・縦走・高山など)を想定している人には、ミッド〜ハイカットの登山靴を検討するのが安心です。
どんなシーンに向いている?
ローカット登山靴は、いわゆる“登山専用”にとどまらず、もっと広いシーンで使えるのが大きな魅力です。
ここでは、筆者自身の使用シーンも交えて解説します。
日帰り登山や低山ハイクにぴったり

標高1,000m以下の里山や、整備された登山道を歩く日帰りハイクでは、ローカットの軽快さが圧倒的。
「ちょっと自然に触れたいな」という休日登山なら、足元にそこまで重装備は必要ありません。
私自身、サロモンのローカットモデルで奥多摩や高尾山などを歩くことが多いのですが、
足さばきがスムーズで、下山後も足が疲れにくいと感じています。
キャンプやフェス、旅行でも活躍

荷物を運んだり、テントの出入りが多いキャンプでは、脱ぎ履きのしやすさがありがたいポイント。
ぬかるんだ地面でも滑りにくく、普通のスニーカーよりも安心感があります。
また、防水モデルを選べば雨が心配なフェスや旅先の天候にも対応可能。
私は旅先で「突然の雨→足元ビチャビチャ」を何度も経験してきたので、ローカット登山靴を履いていくことでストレスが減りました。
1足で“街から山まで”をカバーしたい人に
荷物を最小限にしたい旅や、電車+徒歩移動が多い登山旅では、スニーカーのように歩けてアウトドアでも頼れるローカットが本当に便利です。
特に、「旅行のついでに軽くハイクしたい」「街と山を1足で行き来したい」
といった人には、まさにベストな選択肢だと思います。
筆者愛用モデル2選【リアルに使っているローカット】
ここからは、筆者自身が実際に使っている2足を紹介します。
今メインで使っているのはサロモンですが、メレルもまだまだ活躍中です。
サロモン X ULTRA 5 WIDE GORE-TEX(L47727400)
快適なローカット登山靴を探しているなら、まずこれを履いてみてほしいと思える1足。
抜群の安定感と防水性で、ハイキングやキャンプ、旅行まで何でもこなせます。
特に驚くのは、片足400gを切る軽さ(※27cm相当)なのに、ソール剛性と安定感をしっかり両立している点。
足のねじれを抑える“ADV-Cシャーシ”構造により、下り坂でも足がブレにくく、安心して歩けます。
私自身これを履いてから、岩場やぬかるみでも「足元を気にしすぎずに歩ける」ようになりました。
さらに便利なのが、Quicklace™システムによるワンタッチのフィット調整。
引っ張るだけでぴたっと締まり、脱ぐときも一瞬。フィールドでもストレスゼロです。
今は他メーカーでもワンタッチ式の靴ひもを見かけるようになりましたが、これはマジで便利ですね。
ワイドサイズ設計なのも嬉しいポイントで、幅広の足でも窮屈さを感じません。
私にとっては、“今もっとも信頼している1足”です。
メレル MOAB 3 SYNTHETIC GORE-TEX(J500239)
ローカット登山靴の定番中の定番。
「迷ったらとりあえずモアブ」という先人の教えは、実際に履いてみると納得できます。
前作からソールやアッパーが改良され、フィット感とクッション性が大幅にアップ。
特に、厚めのミッドソールとVibram®ソールの組み合わせは盤石で、
長時間歩いても疲れにくく、舗装路から登山道への移行もスムーズです。
GORE-TEX搭載で防水性も申し分なく、私は以前これをメインシューズとして愛用していました。
現在はサロモンにメインを譲っていますが(サロモンの方がやや軽いので)、
雨予報や予備として、サブで常にスタンバイ中です。
ローカットの中でも汎用性が高く、「とりあえずの1足」として本当に頼りになります。
- MOAB 3 シンセティック GORE-TEX®
タイプ別に選ぶなら!おすすめ+3モデル
ここからは、「自分の使い方に合った1足が知りたい」という人向けに、筆者モデル以外からも信頼できるローカット登山靴を3足ご紹介。
コスパ・万能型・高機能モデルと、タイプ別にセレクトしました。
コロンビア セイバー シックス ロー アウトドライ ワイド(YK5037)
コスパ重視&足幅広めの人にうれしい、安心の1足。
Columbia独自の防水透湿素材「アウトドライ」を採用し、雨にも強い設計。
ソールはやや柔らかめで、街〜軽登山までカバーできる汎用性があります。
「1万円台で気軽に試したい」「とにかく失敗したくない」
そんな人にぴったりの入門モデルです。
- セイバー シックス ロー アウトドライ ワイド
ノースフェイス クレストン ハイク ウォータープルーフ(NF52410)
軽量×しっかり感のバランスが優秀な“万能型”。
片足約370gと軽量ながら、TPU補強とグリップ力のあるアウトソールで安定感も確保。
街にも馴染むデザインで、旅行靴としても使いやすいです。
「メレルと迷う」「どのブランドがいいか分からない」
という人にとっては、有力な中庸ポジションのモデルです。
- クレストン ハイク ウォータープルーフ
ホカ KAHA 3 LOW GTX(1162532)
クッション性と歩行サポートの高さで“履き心地重視派”に人気。
HOKAらしい極厚ソールで衝撃吸収力が抜群。足腰への負担が少なく、長時間の行動でも快適です。
GORE-TEX搭載で防水性もあり、少し重さはあるものの、そのぶん安心感は大きめ。
「とにかく足を守りたい」「一生モノの履き心地がほしい」
という人におすすめしたいプレミアム系ローカットです。
FAQ|ローカット登山靴に関するよくある質問
Q. ローカットで本当に登山できるの?
日帰りハイクや低山であれば、まったく問題ありません。
整備された登山道や舗装路が多いコースなら、むしろローカットの軽快さが武器になります。
ただし、重い荷物を背負う縦走や、不安定な岩場では足首をサポートしてくれるミドル〜ハイカットの方が安心です。
Q. 普段履きにも使えますか?
使えます。特に最近のモデルはデザインも街になじみやすいものが多いです。
旅行やキャンプ、街歩きを兼ねたハイキング旅において、1足で完結できるのがローカットの強み。
私も移動の多い日帰り旅や電車+徒歩での山行では、ローカットをよく選びます。
Q. 夏でも蒸れませんか?
通気性はモデルによりますが、ローカットは足首まわりが開放されている分、蒸れにくい傾向があります。
GORE-TEX搭載モデルでも、インソールや靴下の工夫で快適性はアップします。
夏山では、メッシュ素材のモデルや速乾ソックスとの併用がおすすめです。
Q. 旅行やフェスにも持っていけますか?
むしろローカットの得意分野です。
悪天候の心配がある屋外イベントや、徒歩移動が多い旅先では、スニーカーより安心感が段違い。
脱ぎ履きもしやすく、防水性もあるので、雨に降られても快適に過ごせます。
まとめ|自分の使い方に合った1足を
ローカット登山靴は、「軽さ」と「歩きやすさ」を武器に、登山の選択肢をぐっと広げてくれる存在です。足首まわりのサポートこそ控えめですが、そのぶん足さばきが軽く、日帰りハイクや低山歩き、さらにはキャンプや旅行にも柔軟に対応できます。
今回紹介したサロモンやメレルのような信頼できるモデルを選べば、登山靴初心者でも安心して使えるはずですし、すでに1足持っている人にとっても、「街でも山でも履ける2足目」として活躍してくれるはずです。
まずは自分の山行スタイルや使いたいシーンを思い浮かべて、それに合う1足を選んでみてください。ローカットならではの快適さが、きっと次のアウトドアをもっと楽しくしてくれると思います。