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登山靴の保管方法と寿命を伸ばすコツ|NG行動も解説

家の中の登山靴
登山靴は正しい保管で寿命が大きく変わります。この記事では、初心者にもわかりやすく登山靴の保管方法と長持ちさせる秘訣を解説。カビや型崩れを防ぐポイント、シーズンオフの管理、意外とやりがちなNG行動も紹介します。お気に入りの靴をできるだけ長く使うために、知っておきたい基本をまとめました。
目次
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登山靴の保管が重要な理由とは?

登山靴は、ただの「靴」ではなく、山での安全を守る大切なギアです。路面の凹凸や雨・泥・雪など、過酷な環境にさらされるため、素材も特殊で丈夫に作られていますが、それでもメンテナンスと保管の方法次第で寿命は大きく変わります

例えば、登山から帰ってきた後、そのまま玄関に置きっぱなしにしていませんか?見た目はきれいでも、実は靴の内部には汗や湿気がこもり、カビや臭い、ソールの劣化が進んでしまうこともあります。また、しばらく使わない時期、特にシーズンオフの間に適当に保管しておくと、型崩れやひび割れが起きることも少なくありません。

登山靴の価格は決して安くないですし、そもそもそんなに数を持つものでもないので、出来れば1足を大事に使い続けたいですよね。特に本革タイプの登山靴は、適切なケアをしてあげると10年以上使い続けることも可能です。一方で、メンテナンス不足や誤った保管は寿命を半減させる原因に。

さらに、安全性の面でも重要です。ソールが劣化していると滑りやすくなったり、突然剥がれたりして、登山中の事故につながるリスクも。見た目では劣化がわかりにくい部分もあるため、普段からのケアが肝心です。

このように、登山靴の寿命を延ばすには、使う時だけでなく「使わない時の管理」もとても大事。次のセクションでは、初心者でもできる登山靴の基本的な保管方法を詳しく解説していきます。

登山靴を乾かす
原則は汚れをおとし、しっかり乾かすこと

正しい登山靴の保管方法【基本編】

登山靴を長く愛用するためには、帰宅後すぐの「お手入れ」と「保管場所選び」がとても重要です。ここでは、初心者でも簡単にできる基本的な保管方法を紹介します。

登山後すぐにやるべきこと

  1. 泥や汚れを落とす
     ブラシやぬるま湯で、ソールやアッパーに付いた泥・砂利をしっかり落としましょう。ゴシゴシ強く擦るのは避け、優しく取り除くのがコツです。乾いた汚れは硬いブラシ、濡れた汚れは柔らかい布など使い分けると◎。

  2. インソール・靴ひもを外す
     湿気がこもりやすいインソールは外して、別々に乾燥させます。靴ひもも外すと靴全体が乾きやすくなり、型崩れ防止にもつながります。

  3. しっかりと乾燥させる
     風通しの良い日陰で自然乾燥が基本です。直射日光やドライヤーはNG。熱で素材が硬化したり、縮んでしまう恐れがあります。新聞紙を詰めておくと湿気取りにもなり、形も整えられます。新聞紙は数時間おきに取り替えるとより効果的です。

保管場所のポイント

  • 湿気が少なく風通しが良い場所がベスト。押し入れやビニール袋に密閉してしまうと、カビの原因になります。

  • 直射日光が当たる場所、極端な高温・低温になる場所(車の中や屋外倉庫など)は避けましょう。

  • 長期間使わないときは、靴型(シューキーパー)を入れておくと型崩れ防止になります。特に本革製は形が崩れやすいためおすすめです。

防臭・防湿対策

市販の乾燥剤や消臭スプレーも活用できますが、自然乾燥が基本なので、過度に頼りすぎないのがポイントです。靴箱の中に炭や重曹を置いておくと湿気・臭い対策に役立ちます。

皮の登山靴
最近は少数派かもですが、皮の登山靴の場合はクリームなども塗るです

シーズンオフの保管で気をつけるポイント

登山のオフシーズン、特に冬場や長期間使わない期間は、登山靴をそのまま放置してしまいがち。でも、この時期の保管こそが寿命を左右する大事なタイミングです。少しの工夫で次のシーズンも快適に使えるので、意識しておきましょう。

シーズンオフ前の準備

  1. 徹底的にクリーニング
     短期間の保管と違い、長期間仕舞う前は特に丁寧に掃除するのが基本です。泥汚れはもちろん、見えにくい細部のホコリや砂もブラシでしっかり除去しましょう。本革の場合は、レザークリーナーや専用オイルで保湿ケアも忘れずに。

  2. 完全に乾かす
     湿気が残ったままだと、カビや異臭の原因になります。1日~2日、しっかりと風通しの良い日陰で乾燥させましょう。インソールや靴ひもも同様に別で乾燥。

  3. 型崩れ防止
     長期保管の際は、新聞紙だけでなく**専用のシューキーパー(木製が理想)**を使用すると型崩れ防止に最適です。シューキーパーは余分な湿気も吸収してくれるので一石二鳥。

保管場所の見直し

  • 湿気がたまりやすい場所はNG。湿気取り剤(シリカゲルなど)を併用すると安心です。

  • ビニール袋や密閉容器には入れず、通気性の良い布袋や元箱にしまうのがベスト。

  • 保管場所は定期的に換気して、靴も数か月に一度は取り出して空気に触れさせるとより安全。

靴底の加水分解対策

あまり知られていませんが、長期間履かずに放置しておくとソールの加水分解(ソールがベタベタしたり剥がれる現象)が進むことがあります。完全に防ぐことは難しいですが、できるだけ湿気と温度変化が少ない環境で保管し、たまに靴を取り出して状態を確認する習慣をつけると良いでしょう。

家の中の登山靴
家の中で、湿気に気をつけて保管する

登山靴の寿命を縮めるNG行動リスト

どれだけ高品質な登山靴でも、使い方や保管方法を間違えるとあっという間に劣化してしまいます。ここでは、意外とやりがちなNG行動をリストアップ。知らずにやっているものがないか、ぜひチェックしてみてください。
ちょっとした油断が寿命を縮める原因に! これらのNG行動を避けるだけで、登山靴の耐久性はぐっと高まります。

1. 濡れたまま放置する

雨の日の登山後や洗った後、濡れた状態でそのまま放置していませんか?これはカビや悪臭の大きな原因です。さらに、素材の劣化や型崩れにも直結します。必ず乾燥させるクセをつけましょう。

2. 直射日光やストーブで乾かす

早く乾かしたいからといって、直射日光やストーブ、ドライヤーなど高温での乾燥はNG。これをやるとアッパー素材が硬化してひび割れたり、ソールの接着剤が劣化してしまうことがあります。乾燥はあくまで自然乾燥が基本です。

3. ビニール袋や密閉容器での保管

「ホコリを防ぎたい」という理由で、ビニール袋に密閉して保管してしまうのもNGです。これは湿気がこもる原因となり、カビや加水分解を招くリスクが高まります。通気性の良い袋や箱を選びましょう。

4. お手入れなしで長期放置

特に本革の登山靴は、定期的な保湿ケアが大切。何年もノーメンテナンスで放置していると革が乾燥してひび割れ、寿命が一気に縮まります。たとえ履かなくても、オフシーズンの間に一度は状態を確認してお手入れを。

5. 収納場所の選び方を間違える

玄関など温度や湿度の変化が激しい場所、または車の中など極端な環境は避けるべきです。特に日本の梅雨時期は要注意で、高湿度環境での長期放置はソールの剥がれの原因になります。

登山靴のソール剥がれ
手入れを怠るとソールが剥がれたりもする

登山靴を長持ちさせるメンテナンス習慣

登山靴を長く愛用するためには、普段からのちょっとした習慣が大きな差を生みます。ここでは、初心者でも続けやすい「登山靴を長持ちさせるメンテナンス習慣」を紹介します。

使用後のルーティン

  1. ブラッシングで汚れをオフ
     登山後はできるだけ早く汚れを落とすのが鉄則。特にソール周りや縫い目は土や小石が残りやすいので、柔らかめのブラシを常備しておくと便利です。

  2. インソール・靴ひものケア
     取り外したインソールも忘れずに乾燥。靴ひもも一度外して汚れを落とすと、見た目もきれいに保てます。

  3. 乾燥&消臭
     風通しの良い日陰でしっかりと乾燥。消臭スプレーは必要以上に使わず、基本は自然乾燥がベストです。湿気取りとして新聞紙を活用するのも◎。

定期的なお手入れ

  • 防水スプレーの塗布
     数回の使用ごとに防水スプレーをかけ直すことで、防水性が復活し、汚れもつきにくくなります。特に悪天候の山行が多い人は定期的なケアが重要。

  • 本革製はオイルメンテナンス
     本革登山靴は、専用のレザーオイルで保湿するのが長持ちの秘訣。乾燥してきたタイミングでオイルを薄く塗り広げると、革がしなやかに保たれます。

  • ソール&縫製のチェック
     目立ったトラブルがなくても、ソールの剥がれ・ひび割れ、縫製のほつれがないかを定期的に確認しましょう。早めの発見で修理対応も可能になります。

たまには「履く」

シーズンオフでしばらく履かない時も、たまには短時間でも履いて歩くのがおすすめ。履くことで革が柔らかく保たれ、加水分解の進行を遅らせる効果が期待できます。

登山靴と防水スプレーのイメージ
防水スプレーは結構大事

登山靴を長持ちさせるメンテナンス習慣

メンテナンスは面倒に感じるかもしれませんが、「お気に入りの一足」を長持ちさせる秘訣です。

 登山靴は、山での安全と快適さを支える大切な相棒。今回紹介したように、正しい保管方法と日頃のメンテナンス習慣を続けるだけで、寿命がぐっと延びます。特に、乾燥・湿気対策やシーズンオフの管理は見落としがちなので要注意。さらに、NG行動を避けるだけでも登山靴のダメージを防ぐことができます。

少しの手間を惜しまず、しっかりとケアしてあげることで、次の登山も快適&安全に。お気に入りの一足を長く愛用するために、今日からできることを実践してみてください。